夜間強行軍


全日本クラブ対抗選手権に出るために、今年も藤枝まで移動する。


乗り合わせる予定がなかなか上手く組めず、今年はひとりで運転していかなければならない。
仕事の間がうまく合って、職場を少し早く出させてもらうことができた。


ところが、家に戻ってみると相方の様子がおかしい。
ぐったりして、見るからにしんどそうである。熱があるという。


うちは、ほとんどクーラーを使わない生活をしているのだが、町の保育サークルなどで知り合う、赤ちゃんつながりの友人のところに遊びに行ったりすると、クーラーで常時涼しくしている家なんかが少なくないそうだ。
小さいうちにしっかり汗をかかせておかないと汗腺が発達しないで、暑さに適応できない子になってしまうんじゃないかと思ったりするのだが、ぐずぐず泣かないとか、夜よく寝る、といった「効果」にはなかなか勝てないらしい。
娘の方は、タオル地の服なんかをちょっと着込んで、「訪問」を平気で乗り切ってきたようだが、そういえば、親である相方はクーラーにやられて不調を訴えていた。


このままにはできないので、出発は先送りにして、「まあ寝ておけ」と片づけを引き受ける。
お母さんには悪いけれど、相方の実家に二人を送り届けて、遠征中のことはお願いしよう。


とりあえず干してある洗濯を取り入れ、今日の分の新しい洗濯を急いで回す。
相方が用意してくれてあった軽い夕食を一緒に摂ると、遠征用に実家に車を取りに行って、ばたばたと旅支度。娘の着替え類などだけ相方に用意してもらって、その間に食器の洗いものは引き受ける。
そんなこんなで9時過ぎになんとか移動の準備ができて、3人でまずは相方の実家に向けて出発した。


10時過ぎには無事相方の実家に到着。
一息入れて、11時前に出発した。


予想はしていたが、ほどなく疲れが出てきて、なかなか辛い運転になった。
最近の高速道路は、制限速度ギリギリで追い越しあいをするトラックが次々と現れて、なかなか走りにくい。
いつもの倍以上の休憩をSAで取り取り、ぐずぐずなんとか進み、宿に着いたのは午前3時過ぎだった。


宿のオヤジさんに、チェックアウトは何時かを真っ先に尋ね、眠れる時間を計算する。
ちょっとこの疲れは尾を引くかもしれない、と思いながら、ぐったりベッドに入った。


[fin]