監督会議


相方の実家から、手ぶらで射撃場に向かう。


銃なしで射撃場に行くことほど射手として不本意なことはないのだが(ここのところそういうことがすっかり増えてしまった・・・)今回は学生の大会を一部観戦し、監督会議に出席しなければならない。
「ジュニアコーチ」の肩書きだけならまだしも、学生選抜チームの監督をするとなれば、その立場で報告やお願いをすることがいろいろとあるからだ。
試合で一見するだけでわかることは限られるものの、対象となる選手たちの様子も生で見ておかねばならない。


どの大学にもちらほらとOB・OGの姿があり、全体としてかなりの数であった。
一昔前とは随分と違う。
監督もコーチも滅多に姿は見せないもので、来てもらっても緊張こそすれ点数が上がるわけでなし、と自分の学生時代を基準に考えていたら、何だか部員は私が来ないのが「残念なこと」という風に言うので、変だなあと思っていたのだが、なるほど。
具体的な「効用」ではなくて、自分のところだけほったらかしにされている「感じ」が問題なのかな。


点数はともかく(いや、点数もだけれど)決勝をいくつか見て、やはり物足りない感じは否めなかった。
相当にましになってきているのは確かだが、取り巻く状況はノウハウがなかった時代とは違っている。もう少し、高校からやっている連中はしっかりしないといけない、と思う。
大学から始めた中に「お!」と思わせる選手が何人かいた。強化指定の一番手も実績どおりの成績で、ひとまずはほっとする。


銃所持に関する規制強化に向けた動きが水面下で進行しているらしく、会議では35年前の卒業生にまで遡るような調査が各校に指示された。
OB会も含め、部の実務に携わるOBは、実質私だけである。現役部員の幹部と手分けして何とかやるしかない。
その場ですぐ名簿片手に携帯で作業を始めた。やれやれ。しばらく気の重い作業を抱え込まざるを得ないようである。


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