関西オープン初日


今年も恒例の開幕戦がやってきた。
4月最初の週末は関西オープン。
近畿一円に加え、周辺の岡山、愛知、岐阜などからも射手を集め、関西学生連盟の学生射手や、高校の射撃部も本格的に参加する、ローカルにして最大規模の大会である。


私の中では、インドアシーズンからオープンエアシーズンへの切り替えの大会、と位置づけていて、10mS60Mは出場せず、10m3×20MW・50m3×40Mという三姿勢競技2種目にエントリーすることにしている。
今年は、見事に50m競技の練習はできておらず、11月にオープンエアシーズンが終了してからは、2月に雪の中で指導がてら1度撃ったきりで今大会を迎えた。実質的には、試合を名目に練習しているような具合である。


10mの三姿勢競技は、かつては全日本選手権も種目としてあったが、今はなく、国体の付帯種目からも外れてからは、すっかり大会が少なくなってしまった。国際競技種目ではなく、「教育」的な色合いの強い種目なので、大きな大会で種目として姿を消すのはいたしかたない。
大きなローカルな大会であるこのような大会では、こういう種目に出るのが醍醐味である。50m種目を目指す学生を中心に参加者が多く、記録の公認もされる。
私は年に1度、この大会でだけこの種目を撃つ。この種目の日本記録保持者であるので、禄に練習をしていなくても、結果を意識して真剣に撃ってしまう。
いろいろな要素が加わり分析の難しい50mとちがって、シンプルなため、シーズン初めの技術確認にも持って来いである。


出番は昼から。
学生を中心に選手は昼になっても、用具検査室にあふれかえっており、実に活気がある。
きっちりフォローアップ検査まで行われ、役員の側にとっても自らの肩慣らしと学生役員の教育上、このシーズン入りの大会を大切にしている様子がいい。


さて、交換機のトラブルなどで進行は遅れ気味。25分遅れで競技開始。
いつものことなのだが、例年この種目は、不慣れな選手が多い中で撃つので、姿勢のチェックなどに役員が近くをうろうろするし、選手もなんだかばたばたとしていて落ち着かない。
伏射でうっかりやってしまい、1失点。
立射は、この冬の成長をしっかり示してわずか2失点。その2失点もいずれも9.9クラスだった。これは納得。
膝射。気合で10点を取っていくこともできたが、そういう気分にはなれない。次はいよいよこの姿勢について、しっかり詰める時が来たなあ、という感慨の方が先にたつ。基本的な骨組みは出来ているが、細かい部分であいまいにしている部分がたくさんあることに気がつく。立射で技術を整理した次元に比べると、明らかにいい加減である。
その発見に重きを置いて5失点。


記録更新は来年にお預けだ。それでもぶっちぎりの優勝には違いなく、指導している関西の大学生には「なるほど」と参考にしてもらえたのでよしとしよう。
膝射の、探索したいポイントがいくつかはっきりと浮上してきたのがうれしくて、少しわくわくしている。


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