ジャムを作る

はっさくジャム



平日は帰宅・夕食・家事・寝る、でいっぱいいっぱいの日々を送っている。
ようやくやってきた(大きな予定のない)三連休だ。


土曜日は、朝にちらちらと降り出した雪が、あっというまにものすごい雪にかわり、あれよあれよと10時前には雪景色に変わる。アスファルトもコンクリートもすっかり雪で覆われ、車やバスはチェーンをつけて走っている。
午前中で、掃除やアイロンなど手の回らない分を片付けて、夕方ようやく相方の実家に電車で向かった。
駅から家までのわずかな道のりを、雪に足をとられながら歩く。


赤ん坊の成長とはえらいもので、数日を経ると、もう少しずつ様子が変わっている。
めまぐるしくオムツと授乳のサイクルを行き来する合間に、お風呂に入れるのを初めて手伝ったり、授乳待ち中に乳首と間違って鼻を吸いつかれたりする。
普段一番接している自分たちとも、お客さんともちがう、反応の「使い分け」が私に対してある、と相方や相方の母がしきりに言う。生まれてくるまでの「声」の強い記憶のおかげなのだろう。久しぶりの対面でも、活発によろこんで応えてくれるので、ほっとする。


翌日曜日には「従兄妹」との初対面もあり、にぎやかに過ぎた。
その姪っ子が、庭の八朔をたくさん収穫した。
昨日、家にそれをたくさんもらって帰ってきた。


たくさんの果物があるときは、ジャムを作るに限る。


三連休の最後を締めくくるように、ひとり台所に立ち、八朔の皮を二重に剥く。
一番外側の皮と果実をざく切りにして、砂糖をまぶし、ひたひたの水でゆっくり煮る。
いつものことながら実に適当な作り方だが、大小4つの実が、ちゃんと2瓶分のジャムになった。


ちょっと渋みが強いので、朝食のヨーグルト用にするのがよさそうだ。
こんな作業が一番ほっとする。


[fin]