日々、弁当を作る

弁当



結婚以来今回の出産がらみの実家への移動や入院があるまで、相方はずっと、なんだかんだと弁当を作り続けてくれた。


職場には出入りの給食業者があって、注文できるようになっているのだが、結婚後は一度も注文していない。


これはなんと言うかまあ、ちょっと意外だった。
作ってくれることはあっても、こうも切れ目なく続くとは思っていなかった。
以前の相方は、そんなことはとうてい出来そうでなかった。その変化は大変なもので、感謝している。


ここのところは相方と別々の生活になってしまい、一人で暮らす日々に戻った。
せっかくずっと弁当で来たことだし、やってみるか。
ということで、弁当を作ることにした。


なんとかなるものである。
卵で何か一品作りながら、果物の皮を剥き、前夜までに確保した一品と、寝る前に炊飯器にセットした(か、冷蔵庫に寝かせてある)ご飯とミニトマトと合わせて弁当箱につめる。
朝、特別に早く起きずとも、目覚ましを掛けている時間にきちんと起きさえすれば、20分ぐらいで十分にできてしまう。
きちんと起きることと、冷蔵庫の中身を把握しておくことだけが頑張りどころだ。


クラスに、弁当をひいひい言いながらも作って来る、感心な男子生徒がいる。
昼食のときに「弁当の苦労」が話題にできるようになった。
休みの前の日には、「あー、明日の朝は弁当作らんでもいいんやなあ」なんてお互いに言ったりして、ちょっと可笑しい。


私は、「生活を自分でコントロール」する感じがあった方が、精神的にも体調も良く、どうしても忙しくてだめなときでなければ「家事」はできるだけやりたい、と思っている。
たいした中身ではないけれど、お昼の空腹時に自分で作った弁当を開いて食べるというのは、なかなか悪くない。


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