よく眠る。


昨日までと同じように、病院通いは続く。
でも、昨日までと気持ちはぐっと変わった。
同じように、「よくわからない新しい状況」ではあっても、一日中どこか張り詰めたようだったのがなくなって、
「さあて、どんなかな?」
と、ゆっくり構えられる感じになった。
相方の母も、同じような感想だった。


この辺は、しっかり元気に生まれてきてくれたから、という部分も大きい。
3500グラム超で、新生児とはいえ比較的余力があるようなので、出生後、授乳と栄養摂取が軌道に乗るまで続く体重減少についても、「自然なこと」と素人なりに受け入れられるので、「少し上手くいってないんじゃないか」と不安になりがちな新米ママを、しっかり励ますことができる。


妹のところの二人の姪っ子の出産とその後の1-2ヶ月を、間近に見てきた経験があったので、どのくらいのせわしなさか、夜中の様子がどんなか、ということや、兄弟で性別が同じでも、赤ちゃんにはひとりひとりすごい個人差がある、ということはある程度知っている。
姪っ子のお姉ちゃんの方は、眠りに落ちることを怖がるようなところがあって、静かに寝ている時間帯がほとんどなく、空腹感・満腹感の別なくおっぱいを欲しがる、足りなくて泣く、という感じで、私たちを育てた私の母ですら、不安にさせた。
反対に妹の方は、満腹なら寝る、空腹なら泣く、起きていても一人遊びでもするように、自分の周りに見えるものに次々関心を示して面白くて仕方がない、というように静かにしている子だった。お姉ちゃんの印象ばかりいつまでも強くて、この妹の本当に小さかったときのことは、一家みな細かいところはよく思い出せない、というくらいである。


さて、わが子はどんなだろうか。
出生の翌日はまだ、外界にいることがピンと来ていないのかもしれないが、病院にいた2時間半ほどの間、ずっと静かに眠っていた。よく眠れば眠るで、これも不安のタネになるあたり、この先の一喜一憂を予感させる。


[fin]