1周忌


数日前から、1年前にメールで知ったあの日のことを思い出す。
入り組んだ数年の思いの変遷を思い出す。


その何事も整理されることはない。ただ失われずあり、季節と共に開き、また閉じるのみ。


あの人がどんな思いを抱いて過ごしたのか、想像しても決して届かず。
周囲の人々の悲しみもまた。
はるかに高い空をみつめ、心のなかで手を合わせる。


今こうして在ってなお、ただ無力さをひとときかみしめる。


[fin]