資源ゴミと子供会

缶コーヒー



朝、古新聞を整理して、マンションのゴミ置き場に出しに行った。少しためていたので、3袋。
台車に載せて一番奥の資源ゴミ置き場に着くと、親子と思われる人たち5-6組が、缶の分別作業を一生懸命にやっていた。


缶と古新聞は同じ区画に置き場があって、新聞を置いて帰る、というのはちょっとしにくい感じだった。缶が入ったゴミ袋の山から、スチール缶などの混じっていそうな袋をより分けて、その袋を子供たちとお母さんたちが開けては、分けて袋に詰めていく。
小雨の中、少し距離を置いてしばらく見ていたが、ちょっと時間がかかりそうな様子だった。


子供たちがわいわいと汚い袋をものともせず、しかし危なっかしく作業している。近づいて声をかけ、少しずつ手伝いに参加していった。


全部終わるまでに30分近くかかっただろうか、すべてきれいにかたづいた。
「お疲れ様」
と声をかけ、ようやく新聞を置いた。エレベーターのところまで戻ってくると、
「どちらのお父さんですか?」
とお母さんたちの一人に尋ねられた。
「いえ、新聞を置きに来た、通りすがりです」
というと、えらく恐縮された。


今日は子供会の「資源ゴミ活動」の日だったようで、ちょうどその開始時刻に新聞を持って行ってしまったのだった。


「地域の人たち」と何かしたのは、3年目にしてはじめてだった。近々きっとやってくる、「当番」として活動する日のことを想像した。その頃には、この子たちはもう子供会にはいないのだろう。


子供に渡された缶コーヒーを手に、気持ちよく家に帰った。


[fin]