クラフト熱

レタースタンド



家の片づけが一段落し、この休みは仕事はしない、と心に決めると、猛烈に何かを作りたくなった。
充実感とともに休日を実感できる、一番の楽しい過ごし方は、なにか「ものを作ること」。幼少の頃から変わらない「衝動」。本当に変わらないものだ。


2段ベッドや大書棚を作ろう、という大構想・リビングの棚を増設する、という中構想・必要な小物などを製作するさまざまな小構想、と段階別に頭の中にはいくつかのプランが置いてあって、時間のある時々にそれを取り出しては、ああしよう、こうしよう、とひねくり回して熟成させるのが、楽しい。よくひねくり回しておくと、後で納得できるものが作れるのだ。


しかし実際に作業できる時間というのはなかなか訪れない。その一方で、訪れるときは「突然」訪れる。今日なんかは、そういう日だ。


テーブルで雑誌や封筒なんかが、どうしても場所を占めてしまっている。片付けるところは作ってあるのだが、しかし、直近のものはテーブルの上に置いておきたいし…。スタンドのようなものがあればいいんじゃないか?今回は、構想抜きで衝動のままに、
「よーし、つくってみよう!」
と、動き出した。


物置の端材置き場で、これまで書棚や水槽台・AVラックなどを作った時に出た材の残りを取り出しては、あれこれ考える。前回のラック製作の時に、思い切って小さな丸鋸台を買ったので、気軽に木材のカットができるようになった。端材を使いこなせるようになったのはこれまでにない強みである。買い物なしでなんとかなりそうだ、とあれこれ組み合わせては、曲尺で長さを計り、メモ帳で計算する。


取りかかって1時間くらいでできあがり。
無印良品の商品陳列で使われていたスタンドをヒントに、水槽台の中棚に使った板の残りと、ラックの脚で使った太いラミン材の端材をシンプルに組み合わせてみた。横に寝ていたものをまとめて立てただけで、テーブルはずいぶんすっきりした。メモや葉書を立てるクリップとも相性ばっちり。


大した工作ではないけれど、アイデアをかたちにする満足感で、幸せな気分に浸りながら休日を終える。材料費はゼロ。場所塞ぎな端材が減って、実用品が1つ。安上がりで幸せな趣味である。


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