東京国立新美術館

国立新美術館



午前中に相方と義兄宅に立ち寄って、元気な姪っ子たちとしばし楽しく遊び、その後六本木ヒルズまで送ってもらった。
荷物をロッカーに放り込んで、うろうろすることにする。建物の構造に「へぇー」と感心してしまうと、ブランドやグルメにあまり強く心動かされない私たちは、「よし、次行くか」となる。
東京に行ったら美術館か博物館に、と思ってちょっと下調べしたのだが「建物と催し物から見て、今回は東京国立新美術館の「日展100年」だねぇ」ということになった。荷物はそのままに、無料シャトルで美術館に向かう。


黒川紀章設計の建物は、大胆な採光と落ち着いた板張りの造りが心地よく、贅沢な空間の喫茶店・レストランとしてもいい。展覧会単位でチケットを買う仕組みなので、建物にはいるのはフリーなのだ。近所なら、図書スペースやベンチだけでも利用したくなるかもしれない。


日展100年」はとても楽しめた。近代の日本画をこれだけまとめて真剣に観たのは、おそらくはじめてである。彫刻や工芸、油彩も様々で、作家の名前だけ、あるいは作品だけ知っていて、今回はじめてそれらが結びついたというものもあった。
梅原龍三郎安田靫彦鏑木清方といった、昔からよく知っている作家の作品と対面できたし、比較的最近知るようになって、観てみたいと思っていた福田平八郎、朝倉文夫の代表作も並んでいた。
これまで知らなかったのだが、小堀進の「初秋」という水彩画の気持ちよさには、おっ…と足が止まった。


しっかり見て回ると、すっかり疲れてしまって、カフェスペースで動けなくなってしまった。身重の相方の方が、絵はがきやパンフレットを選んでまわるなど、元気だった。
今回の東京行きが二人で身軽に遠出する、最後になるかもしれないねぇ、なんて言いながら、早めに、大阪に帰った。


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