訪問

芝生を駆ける



帰りに松阪の妹夫婦の家に立ち寄る。
いつでも行ける、と思っているうちに1年たち2年たち…。とうとう、来年には妹夫婦が松阪を離れることになってしまった。
松阪にいるうちに絶対に行く!と約束してようやく今回の訪問となった。


元気な二人の姪とわいわいと遊んで、夕方にはすぐ近くにある公園に出かける。
広大な手入れの行き届いた芝生と、人工的に作ったせせらぎと池がうまく配されたすてきな公園だ。
水遊びのための噴水や、小さな子が遊べる木の遊具などもあって、子供も大人も思い切り転げ回ることができる。
お姉ちゃんは自転車に上手に乗れるようになって、うれしくてしかたがない。元気に周回する様子を眺めたり、いっしょに遊具の吊り丸太で平衡感覚を競ったりした。


家でともに1日を過ごすと、小さな子供のいる家庭の様子がよくわかって、いろいろな思いが湧いてきた。相方もそれは同じだったようだ。来年早々に生まれて来るであろう我が子との生活への不安と期待が、すこしずつ具体性を帯びてくる。
ベビーベッドやベビーカー、母子のための衣類など、ぜひ使って、とすすめられることで「支え合う」心強さのようなものを感じたりして、なんだかちょっと可笑しい。


少し日をおいて会うたび、しっかりしてゆく姪っ子の変化や成長に、驚いたり感心したりするうちに夜は更けた。
その日のうちに家に帰る予定だったが、電車の時間を読み間違えて、泊めてもらうことになり、おかげで久しぶりにいろいろな話をゆっくりとすることができた。


しっかり母親をやっている妹の姿に、自分たちに流れてきた時間の長さと、その手応えのようなものを感じた。


[fin]