自主性?


オープンスクール、という取り組みについて教員の立場で相談したのだが、「生徒が自主的に自分の学校を外部の人に紹介する」という取り組みにしたい、だから、「授業の紹介は、教員ではなく生徒が一人一つ教科を担当して交代で発表するようにしなさい」などと管理職が言っているという。


まだ、行事や実習の体験などを報告するというのは、「自主的に」する、という図を理解できるが、
「自分は、○○という教科では、◇◇を学習しています」
って…生徒が自主的に外部の人に発表する、というのは自然なことなのだろうか?


習っている内容を全体像として把握できているくらいなら、悪いテストの点数に苦しむこともないし、逆に超楽勝だとしたら、それは授業の課題設定に問題がある。
「自分のところでは、こんな風によそと違う授業を受けている」と生徒の立場で実感するのは(あるとすれば)卒業してからのように思う(私も今なら、自分の受けていた授業について人前で話をする、ということはできると思うが)。在籍しているときに「うちの授業は…」とわざわざ外の人に発表する動機は生徒の中にないんじゃないか(あるとすれば愚痴や文句かな。「ぜんぜんわからへん」とか「話おもんない」とか「先生の髪型がへん」とか…)。


自分が学生だったころを振り返って、ささっと頭をよぎったのはこういうことだったのだけれど、こういうことを「自主性」の名のもとに堂々と提案できる先生方はみな、ご自分が学生だった時分、自分が受けている授業を前向きに他の人に説明したくなる気持ちが心のどこかにあった、ということなのだろうか?


もちろん「生徒が読む原稿」は、それらしく上手に作りますけれどね。


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