終戦記念日


昼過ぎまで家で過ごした。
12時に、サイレンが響き渡る。
ふと射撃部の合宿メニューを作る作業の手を止めて、しばらく心を真っ白にする。


取り立てて、外見に表れるような特別なことはしない。
でも、太平洋戦争にまつわる身近な(伝え聞いた)事柄を思い出したり、話したり、する。


この夏、亡き祖父の家から実家が仏壇を引き取り、月命日の記された小さな帳簿を帰るたびに目にするようになった。
私の先祖に太平洋戦争の間に亡くなった人はとても多い。
絶えかけた家である。
伝え聞いて知っていることはわずかだが、商売を維持しようと奮闘して亡くなっていった祖父の兄弟と祖父の両親、混乱・抑留に翻弄された祖母と父。亡くなった日付をたどるだけで、十分にその重さを感じられる年齢になった。


相方にそんな話をして、今日は私なりの終戦記念日となる。



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