新ハンドストップ

新ハンドストップ



ライフル射撃競技の伏射・膝射では、銃を掌(親指と人差し指の間)で受けるために、ストックの下にハンドストップという道具をつける。
ここに「スリング」という上腕から巻いたベルトを金具で固定して掌をはさみ、重い銃を「てこの原理」で支えるわけだ。


腕の重さと銃の重さが合成してかかるため、この「親指と人差し指の間」というのは結構痛い。初心者には慣れない痛みが苦痛であるし、痺れてきたりもして、これらの姿勢を習得する際の最初の関門ともなる。


わたしは、すでに10年ほどこれらに取り組んでいるのだが、ここ半年くらい、ハンドストップの角が指のまたに食い込む、という不具合に悩まされてきた。それまで気がついていなかったのか、手の形が変わったせいなのか・・・その辺がよくわからないのは情けないのだが、とにかく痛い。
食い込む原因ははっきりしていて、「ハンドストップの高さが足りないから」。
新しく、背の高いハンドストップを買おうと思ったのだが、1万円くらいはする。
ケチるわけではないが、構造はシンプルなものだけにちょっと工夫できないか、と古いハンドストップをつらつら眺めつつ、ホームセンターを逍遥した。


いけそうな素材発見。
水周りの配管キャップ¥60
ここにぴったりの木をあてて、ワッシャーとねじをうまく組み合わせれば・・・。


木工室にこもること1時間半。見事に新しいハンドストップ完成。
今日、今週末の国体ブロック予選会場となる和歌山海南射撃場でテストしてみた。


角が食い込む痛みはなくなった。
スリング周りもスマートに取り回せ、強度にも問題なし。
合格である。
道具が良くなったからといって、すぐうまくなるわけではないのが苦しいところだが、それはこれからがんばればいい。


自作の部品が既製品よりも有効に使える、というのはとても楽しい。
今回の改造もえらく安く上がってしまった。
ささやかだが、道具を使うスポーツの醍醐味のひとつである。


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