見舞う


祖父が白内障の手術で入院した。
手術自体は特に珍しいものではないが、年齢も年齢であるし、急いで帰宅して通院を繰り返すよりも、術後にきちんと薬の処方と検査を一通りできるように、と慎重に扱ってくれているみたいだ。


温度管理がうまくできているのが特に気に入っているようで、「外は暑いらしいね」とすずしくとぼけてみせていた。


病院の近くの以前の職場に立ち寄る用事があったので、見舞ってきた。
淡路で久しぶりに撮った写真を観て貰い、アドバイスをもらった。こうして観てもらうのは久しぶりだ。


叔母が付き添っていたが、やがて、東京の叔母夫婦と父も見舞いに訪れ、久しぶりに親族大集合になった。
「こんなに集まるんやったら、たまには入院もせなあかんな」
と祖父はご機嫌であった。


痛くないけど、部分麻酔ですべてがみえること、そしてメスが眼球に迫ってくるのに目が閉じられないのは怖い、ということや、身体が楽なので安静にしないといけない手術当日から原稿を読んでいて怒られたことなど、この数日のことを面白おかしく話す祖父の姿に、安心して帰ってきた。


以上、木曜日のことだ。月曜日に無事退院の予定。


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