ヘルペス


帯状疱疹


祖父や先輩が罹患したことがあり、なかなか厄介な症状に発展しうるばかりか後遺症の恐れもある病気だ、ということは知っていた。
蓄積した疲労などがもとで身体の抵抗力が弱った隙に、体内に眠っていた水疱瘡ウイルスが神経節で暴れだす病気である。
ただの湿疹や虫刺されではない。


相方がお盆前に念のため、と皮膚科にかかったら、これだった。
太ももにぽちっと赤い水疱のようなものができて、
「うーん・・・布団になんかいるん違うか」
と、布団を干して押入れの掃除なんかに精を出していたが、とんでもない見当違いだった。


言われてみれば、ちくちく痛かった。
言われてみれば、身体のだるさは尋常でなかった気がする・・・。


病名を聞いたとたん、自分の健康への自信がゆらいだようで、すっかり元気がなくなってしまった。


無理を無理と感じないほどに頑張りすぎていただけに、これを大義名分にしっかり休んでくれればいい、と私は思っている。
「何もする気が起こらない」ことを、あせりにかえちゃあいけないよ。
そういう時期も大切だ。


私は一足先に限界に気がついて「取捨選択モード」を起動させ始めた。それでも先月の人間ドッグでは危険シグナルがたくさん灯った。
倫理感と体力精神力の限界の間でバランスを見極め、つぶれてしまわないように、これからも気をつけていかないといけない。
人生をみわたすロングショットの視線から、休養も含めた取り組むべきことの優先順位を、常に付け直していくことが大事なように思う。


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