生存競争


水槽にちょっとした争いが起こった。


オトシン君の活躍と、それに刺激を受けて目覚めたイシマキガイ君とヤマトヌマエビくんによって、水槽は見違えるようにコケが消え、無事に茶色から明るい緑へと姿を変えた。


元気なオトシン君に巡り会うまでは、
ヤマトヌマエビくんしかコケを退治する術はない!」
というアクアリストの先達・鯊夫ヘアー氏のアドバイスが拠り所とするすべてであったため、水槽にはたくさんのヤマトヌマエビくんにお越し頂いたままになっている。


水槽が緑に生まれ変わった今、
「エサもらえる系」のテトラーズ

「エサ自前調達雇われ仕事人系」のエビ・オトシン連合軍
で環境の感じ方に差ができてしまったようだ。


コケが少なくなった今、エビ君がせっせと水草を食べ荒らして穴だらけにするのは
「やむなし…」
と見逃してきた。


しかし先日ついに、エサをもらえるテトラーズにむかついたのか、小さなネオンテトラに襲いかかってしまった!(草食のはずなのに…)


おそわれて傷ついたネオンテトラくんはペットボトルで作った小部屋に隔離。
そしてエビ君には(仕事人として雇った飼い主としては少し不本意ながら)エサを別にあたえることを決意した。


針金で縛った鰹節を沈めてみると、エビくん殺到。
数時間にわたってラグビーのモール状態になって必死についばむ姿は、ユーモラスな中にも訴えかけるものが…。


一袋わずか百数十円のザリガニのエサを購入。数粒入れてやることにした。
エビくんたちのエサの奪い合いはさながらこれもラグビーのようで、さらにはこぼれた破片にはテトラーズも参戦。


エサの時間の度に、我が家の水槽ではちょっとした活劇が繰り広げられています。


[fin]