セネガルから


大学時代の友人がセネガルから一時帰国して、我が家に立ち寄ってくれた。


分野はやや違うものの、ともに農学を学びフランス語に苦しんだ二人であったが、彼は、フランス語圏のアフリカを舞台に仕事をする、という当時の志のままに様々な国境を日常的に越える仕事に就き、一方の私は、それなりに逡巡した結果、(あえて、というほどでもないけれど)当時の仲間では珍しく、出身地の近辺でローカルに生きる道をえらんだ。


日本を遠く離れたセネガルで様々な仕事に追いまくられながら、3児の父としても奮闘する日々の話を聞くことができた。


国情や文化の違いから様々な生活の困難は日々出てくるようであるし、世界的な政治や経済の枠組みや、日本のあるいは組織の構造的な問題点から、様々な仕事の困難は次々と湧いてくるようであった。
普段あまり相対化することのない、「日本に暮らすこと」や「日本で働くこと」なんかについて、自ずと思いを巡らせることになった。
来年は帰国できなさそうだという。


大変だとは思う。でも、彼にその困難や試練はフィットしている、とも思う。私の前にあれば、ただ呆然とするしかないであろうが、彼には越えられる試練としてそれらが立ちはだかっている。
セネガルで一家がみな元気にしっかりやっていけることを祈っているし、再来年に奥方とかわいい3人の子ども達と、元気に帰国してくる日を楽しみに待っているよ。


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