町民


今日は町民体育大会でした。


…なんて書くとすごく自然にそういうものに参加している人のように見えますが…、この町に住んでおよそ20年、実はそんなものの存在はよく知りませんでした。
私の一家は新興の住宅地に移り住んできた「新住民」であったこと、そして、新住民の薄いながらも存在したコミュニティへの関わりは親任せであったこと、地元の学校に通うこともなく、引っ越してきた時にすでに子供会にも縁のない年齢だったので、私にとってこの町は、「寝に帰ってくる場所」でしかない日々が続いて来ました。


町内で引っ越し、独りで住むようになった時、「ああ、これでちゃんと『関わり』っていうのをやらないとな」と少し覚悟したのですが、新しいマンションは、今のところ20年前の「新興住宅地」よりもさらに薄いコミュニティのようで、変化は訪れませんでした。


この町に来る前に私が育ったのは公団の団地で、日本の高度成長期以降の「実験的な住環境」を一通りやってきたことになります。…その考察はまたいずれ。
引っ越した当時、『関わり』を意識したこともあって、射撃の成績を体育委員さんの調査に答えてちゃんと町に報告したところ、昨年より「町長表彰」などしていただく機会に恵まれました。


前置きがずいぶん長くなりましたが、今年初めて、その開会式で表彰を受けるため町民体育大会に行ってきたわけです。


想像を超える、本格的な大会でびっくりしました。町内の自治会単位で各自治会の名前の入った新旧のテントが張られ、プラカードを先頭に入場行進あり、号砲あり、旗の掲揚あり、ブラスバンドは生演奏で、祝辞に表彰…立派な開会式でした。
私の住む自治会は「不参加」、ということで、またまた『関わり』への機会はうまくつかめず、それもまたよし、と一観察者のように、ラジオ体操までしっかりやって、会場を後にしました。


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