4連覇ならず


惨敗した。あえなく連覇は途絶えた。続けるというのは難しいものだと、終わってみると身に染みた。
小数点競技なのに、3人も同点がいて、センター勝負1つ差で8位入賞さえ逃す9位。「ダメだった」ことをわかりやすく示してくれる成績である。


ここしばらくずっと基調としてはよくなかった調子。前日の練習は、それを吹き飛ばす内容。必死さ(だけともいえるくらいにそういうもの)が必要な競技なのに、…ちょっと緩んだかも。
千葉の時も不調を感じながら、しかしその時は(前日練習がなくてぶっつけだったということもあって)「できること」に限定して他を捨て、それをきっちりやることに徹していた。
大して状態が良くなったわけでもないのに、前日のパフォーマンスに惑わされて、できそうなことを欲張って「限定」しなかったことが、最低防衛ラインも崩壊させることになってしまったのではないか、と今は感じている。


最終シリーズで、はじめて105点を超える、という体たらくだった。
その最終シリーズのパフォーマンスは、決してスムーズでもスマートでもなく、しかし今日の状態でもできるパフォーマンスだった。それでいい、と最初から決めてかかって、そこからスタートしていれば、今日も軽く優勝できていたわけで、しかしそうは出来なかったのは、初めて対決することになったMくんのことを意識したり、なんというかそれまでやってきた3連覇の内容の「足らなかった部分」ばかりに目が行って、わかりやすく言えば「自分を見失っていた」ということになるのだろう。


焦りもせず、緊張するでもなく、ただ上手くいかない、というこの状態が、「自分を見失っている」状態だったのだと、この歳になってやっと分かるというのは、情けないことなのかも知れないけれど、それを「やっと」知れたのだとしたら、必要な経験だったのだろうな、と夜になって静かに思った。


[fin]