いざ広島へ

深入山



今回は、チーム事情からどうしても私はクルマを出さざるを得ず、相方の実家から借りていくことになった。
移動事情を説明して、金曜日の今日から休みをいただくことができた。今朝、相方と子どもたちを家の車で送り届け、そこで義父の車に荷物だけ積み替えて出発した。
ピストルのA選手を茨木駅で拾って、広島に向かう。


「おいでませ山口国体」なのに、山口県には一歩も足を踏み入れず、広島で競技だけやっておしまい、という、今回は「国体」としては味気ない大会である。他府県開催は、4年前の兵庫国体でも経験しているけれど、そのときは会場がたまたま県境を挟んでこちら側にあった、という感じで、開会式にも参加したくらいだから、「県内に準じて」という実感があったのだが、今回は同じ「隣」でも随分と離れていて、大会名こそ「国体」だけど、普通の大会だという感じがする。


山口では、大学の先輩Tさんが協会で中心的な役割を担っており、その縁で私も7年前の開催準備開始以来、選手強化のお手伝いに度々参加したのでいろいろ思うところがある。
県外開催は早い段階から既定路線だった。「7年後に『山口県』があるかどうかも100%絶対とは言えんような情勢やけんね。」どのくらいのエリアに全国規模の競技会を開催できる規模のハコモノが要るかを冷静に考えたら、射撃場は「道州制」の単位くらいでいいのは明らかだ、という話は、頷けるものだった。山口県は、この言葉の通りに次々と早い手を打って、練習用の小規模射撃場を国体の強化予算で新設した。自県の射撃競技の将来のためになるお金の使い方はどういうものか、早くて正しい行動をされたなあと思う。


今日は会場に立ち寄ったものの、銃器を預けて宿へ移動するだけで終わり。
1996年のひろしま国体と同じ会場ながら、会場近隣の宿泊施設にはすべての関係者を収容する力がなくなっているらしく、今大会の宿のエリアは広大な範囲に散在している。つつが射撃場にはこれまで度々訪れているが、今まで行ったことのないほどに奥へと車を進め、ようやく宿についた。税金の無駄遣いで悪名高かったウェルサンピアの生き残りで、建物はゆったりとすばらしいものだった。夜になると窓の外は漆黒の闇につつまれ物音ひとつしない。大自然の中で快適な何日かを過ごせそうで、うれしい。


[fin]