美濃白川・清流国体リハーサル

10m射場



社会人選手権は、ここしばらくの調子の悪さそのままに、ひどい成績で終わった。
99 95 96 95 95 95 575 10位。


自分の身体でないような、ふらふらふわふわする浮遊感がどうにも収まらない。試射に25分をかけて、なんとかその中でどうやるか、苦心惨憺の修正を重ねて本射に入る。なんとか10点に放り込み続けて、99点スタート。しかし、こんなのは1シリーズくらいしか持たない、と10発目を終えた時に思った。もうくたくただった。
次善策を探るしかない。ギアチェンジに1シリーズをかけたが、やっぱり乱してしまって、もう3シリーズ目からは「実験モード」になってしまった。
次々と湧き上がる疑問点と課題。試合でこんなことをやっていてはいけないのだけれど、しかしあれこれできる所がほかにあるわけでもない。ひとまずは割り切って、3週間後の試合のためになりそうなことをやっていくしかなかった。そういう線から言えば、スコアとは裏腹に、充実していなくもない内容だったけれど、…悔しいし情けない。


ダメなときはなにか射撃用品の買い物をして気持ちを次に繋ぐ、というのは、別に私に限らず、くじけそうになった社会人射手がよく取る行動である。今日の私はその例に漏れず、なにか買わずにいられないような感じがして、ハイサイトブロックをひとつ買った。
ファイナルを待たず、さっさと引き揚げた。決勝や表彰に無縁な試合がぽつぽつとあることに慣れてきてしまった気がする。


帰りがけに立ち寄ったがらんとしたガスステーションで給油をしたら、県外ナンバーの軽自動車なんて珍しいからだろう、声をかけられて店主らしい女性店員さんと話になった。話をしながら、心の片隅で、ああそうだった、僕は今、遠くまで「試合のための旅」をしているんだったなと、そういうことに憧れていた頃の新鮮な気持ちを思い出した。


岐阜や愛知の周辺は、自動車道がいろいろ新しくなっているらしく、それらに対応しきれていないカーナビに少し振り回されながらの帰宅になった。ナビの分岐案内に、あれ何かカンバンと違うな、と思ったら渋滞している関市内に降ろされてしまって、一区間分そこをのろのろ付き合わされたのには閉口した。
それでも、ひとりで運転するのをそれほど無茶と思わずに帰ってくることができた。


[fin]