わさびのせんべい

Y103books2011-09-03



このごろどうも娘が、相方の部屋で、隠れてごそごそやっている。
「夏休みの工作」で棚を増設して、すっきりと片付けたので、それまでのおどろおどろしい部屋でなくなり、子どもにも立ち入りやすくなった。弟に人形を食べられてしまったり、せっかくレイアウトした「インテリア」がぐちゃぐちゃにされたりするのを嫌って、ドールハウスがどんどん引越しを重ね、ようやっと片付いた相方の部屋の一角で落ち着いた。「物置き」を脱して「部屋」としての機能を取り戻したのはいいことだ。ただ、娘がごそごそやっているのは「遊び場」としてだけではないらしく、いろんな相方の持ち物から、ままごとに使えそうなものをさがしては、「使っていい?」と引っ張り出してくる。


この週末はまた、相方の実家にお世話になっているのだけれど、娘がままごとで作ってきた「お料理」の中に、開封前の「大山牛乳しっとりバー」というお菓子が入っていて、「あれれ?」とびっくりした。
つまみ上げて義母に「誰か私以外にもどなたか大山に行かれたのですか?」と尋ねると、そんなことはないという。
修学旅行の土産は(もちろん)買ってきていて、それはもう義母に渡したのだけれど、この「しっとりバー」は、それとは別に買っていて、相方の部屋に置いていた。知らないうちに娘がその箱を開けて、自分の「おばあちゃんちに行く用意」のひとつとして詰めてきたのだった。
「あの部屋のお菓子置き場は、完全に娘の勢力圏になっていたのか…」と、相方に驚いて伝えると、「そうそう」とのんきに答える。


片付いて、どこに何があるかがよく分かるようになったし、よく考えれば娘は踏み台を駆使できるので、ほとんどのものにアクセスできてしまう。
棚の隅の変なところから封の開いたお菓子が見つかったので、相方はちょっと前に「なるほど」と、気がついたらしい。壁と棚の細い隙間に入ってお菓子をコソコソと食べてみたのだろう。
「でも、大丈夫なの」と相方は言う。


娘は「おつまみ」にするような、小袋に小さなせんべいが入ったアソートを食べようとしたらしいのだが、ちょっとかじっただけで「やめとこう」と思ったらしい。中身がまだたくさん残ったまま見つかったお菓子は「わさびせんべい」だった。


大人しか食べてないおかしや飲み物については、「子どもには苦いからね」とか「辛いからね」、「大きくなったら一緒に食べようね」なんて説明をいつもしている。
「そんなことを言ってても、ホントのところは…。」と娘が思っていたかどうかはわからないが、いざ手に届くようになったからと、こっそり食べたその一発目に、いきなり強烈なのにぶつかった、ということらしい。
「悪いことはできないものだ」と思ったかしら。


「隠れて食べようとしたら辛かったんでしょ」と娘に尋ねたら、あっさり認めて、「ちゃんと食べたいときには勝手に食べないで、ママに言ってね」と言われて、一応その通りにしているのだそうだ。
ままごとの道具や「お出かけ」用に準備するために、あれこれ取ってくるのは「OK」らしくて、今回みたいに「しっとりバー」がいきなり出てきても、そんなに驚くようなことではないんだそうだ。


小さい頃に、親の留守に隠れていろんなモノを食べていた記憶が、私も相方も鮮明にあるから、微笑ましさが勝って、大笑いしているのだけれど、ちょっと置き場や買い置く量は考えないといけないかな。


[fin]