Mac miniが来た

Appleから届いた



もはやアップグレード可能な対応ブラウザがなくなり、インターネットがままならなくなっている、電気スタンド型iMacが頼りの実家のPC環境に、とうとう手を入れることにした。


PCのために2階まで上がるとなると、使うのがつい億劫になるから、ということで、今度のは1階に置きたいという。せっかく母親が写真データの処理に慣れたところなのに、使っているソフトがNikonのPicture Projectという、もう新しいMacOSには対応していない廃盤ソフトなので、古いiMacも引き続きそのまま使えるようにした方がよさそうだ。
はじめは新iMacの導入を考えていたのだけれど、PCをバリバリ使うわけでもない家で、新しくPCを設置するためにスペースを確保するのは大層だな、と思いなおした。ノート型も考えたが、置きっぱなしにするなら結局は同じことだ。HDMIという接続方式と、どこの家でもそこそこ当たり前になっている大きめのデジタル液晶TVがあるのだから、こいつをディスプレイにするに限る。目の衰えへの不安を思えば、大きく映せるに越したことはないのだし、音響的にも贅沢な環境が整っている。それに老夫婦にとっては、インターネットとテレビは利用時間がかち合わない。


ついこの間、Mac miniのCPUがCore-iシリーズになり、OSもLionになったことで「待つ理由」はなくなった。両親からのゴーサインも出て、WebのMacストアでひと通り注文した。実家の方には数日で届いたようだ。今日、実家に立ち寄りがてら、セットアップをした。
おそらくまた、長く使うことになるから、ケチらずにCPUはCore-i7にしてメモリも増やしてある。ワイヤレスのキーボードとワイヤレスのマジックトラックパッドにして、PCを使わないときはテレビ台のデッキの上に収納する。Mac miniの寸法は、TVと並べて置いているミニコンポと同じ大きさである。色まで同じマットなシルバーで、重ねたら、もともとそういう機器だったかのように何の違和感もない。
Bluetoothの機器を使うのは、実は初めてで、ちょっとドキドキしたが、古いiMacのキーボードの力も借りて、なんとか認識させることができた。これを機に無線LANを導入して、古いiMacも接続してあるので、電源コードとHDMIケーブルをつないだら作業はおしまい。実にあっけない。


起動・画面の切り替え・ネットの使い方・古いiMacに入っているたくさんの写真データを見る方法、を母親にレクチャーする。
大型液晶テレビで見るYouTubeはなかなかのものだった。ソファに坐って、ワイヤレスキーボードとマジックトラックパッドで操作するのは、なんだか贅沢な感じだ。YouTubeで、ポンポンと懐メロの動画を呼び出してみせたら、両親は心底びっくりしていた。すごくお金がかかっているのではないか、という不安を拭うのに結構苦労した。


コンピュータは随分変わったのね、と母が言ったが、本当にそうだと思う。10年おきにしか新調していない実家ではその印象はさらに強い。電気スタンド型iMacの前は、初代のPowerPCを搭載した、不安定極まりないPerfoma 6210だったのだ。ビル・ゲイツがウィンドウズを開発した動機は、母親でも使えるPCを作りたい、ということだったという。「PC」という言葉が持ってきたイメージを崩しながら、どんどんだれにでも使える道具になってきている、と感じる。
次の機会にプリンターを更新したら、実家の方はひとまず、しばらく「先端」と言ってもいい環境といえるだろう。


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