奇跡の星植物園

バナナを見上げる娘



昨日は、初盆になる大叔父の仏壇へ手を合わせに行ったり、近くのホテルで休暇を過ごす義兄の一家が来て、地元の海山の幸でちょっとした晩餐会をしたりと、たくさんの人と賑やかに過ごす一日となった。無理のないように、今日は海に入らず、朝から帰り支度をしてどこかに立ち寄り、お昼ごはんを島内で食べて、そのまま昼寝をさせながら家に帰る、というプランだ。


東原に国際会議場としてホテルや庭園や植物園と併せて開発された一角がある。以前にも訪れているが、なかなか素敵だという印象が残っていた。中でも「奇跡の星」というちょっと仰々しい名前の植物園が振るっていて、夏の暑い時にはすごくいい。是非に、と提案して出かけることにした。


建物全体が相当に立派で、十分リゾート感覚を味わえるのだが、植物園はやっぱりよかった。薄暗い昆虫の展示コーナーでも、娘はあれこれ指差して楽しんでいたが、そこから回廊に踏み出して大温室がばっと開けると、いっぺんに元気になった。水が流れていたり、椅子やテーブルで一息つけるところがあったり、草葺の東屋を模したテラスがあったりするだけで、なんだかすごく面白いところだと思ったようだ。鹿威しや水琴窟なんかもひと通り興味津々の様子だった。


私にとっては、多種多様な植物や動物を間近にする、というのが一番なんだか「リセット」感があっていい。十人十色とかいっても、もうとにかく人ばっかりを相手にしていて、それに合わせた空間や時間の中にばかりいるわけだから、あたりまえのことなのかもしれない。とりわけ植物園は、人がある種のユートピアとして作り出す、とびきりの人為的な空間を背景に、そういうものと直面させてくれるのだから贅沢である。


すぐ隣りの落ち着いたカフェテリアで昼食を楽しみ、おみやげを買って帰途についた。今年もいい家族旅行だったと思う。


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