大乱調

苦戦



クラブ対抗戦二日目。今日は10mS60Mだった。


この大会に出るようになって20年近くになる。当初は、毎回団体の日本記録を目指す勢いの伏射団体がチームの花形で、総合団体用の残り2種目の方で孤軍奮闘する、というのが私の長らくの役回りだった。
それがここ2年は、50m三姿勢と10mS60Mで、Rくん、Mくんと団体を組むようになり、すっかり助けて貰うこともできるチームになった。昨年などは、ひどいもので、私が大きく足を引っ張って、それでも団体優勝で大会記録、なんてことになった。今年もすでに昨日までに撃ち終えている二人はそれぞれに590台を撃っていて、何というか、普通に撃てば優勝はほぼ間違いがなく、私次第ではすごい記録も狙える状況を整えてもらった。


結果から言うと、今年もやらかしてしまった。576点って…。どうしてこういう巡り合わせになるか、というほどにここ2年この試合で「谷底」が巡ってきている。最後まで必死で立て直そうとあがき続けたのだけれど。もっと高いところにあったはずの「固い底」が抜けてしまったことによるショックに打ちのめされる。
暑さは確かに尋常ではなかった。ちょっとS邸でほっとした気分で過ごせたお陰でここのところの疲労が一気に吹き出したようになって、首周りががちがちになり、銃を持つまでもなく、平衡感覚がおかしくてフラフラもした。しかし、それでもここまで落ちるか。


試合前に、伸ばしたり揉んだりしてみたが、効果の程がわからないまま射座に入った。前日の50m立射は悪くなかった。その試合の後半で気づいたことを、今日どうしても試さずにいられず、結果的にはこれが崩壊を呼び込んだのだと思う。首と右肩の位置関係、右胸とストックの接触に関する部分なのだけれど、何となく行けそうに思ってやってみたのだが、結論から言うと失敗だった。頭と胸と銃がひとつにまとまらず、頬付けであれこれやって3者をつなぎとめるような具合になってしまった。OKのはずが、上下にパラパラ散るという、昨日伏射で悩んだような現象が起こる。
静止も、うまくできるときもあるのだが、全般にはどうにも細かい揺れや定まらない感じが除けないことばかりで、そこへ暑さと疲労からくる指の反応の悪さが重なって、立て続けに外した。格闘は散々やって、時間をいっぱいまで使って立て直しに努め続けたのだけれど、どうにもならなかった。


幸いなことに、他チームの不調に助けられて、今回も団体は優勝のようである。やれやれMくん、Rくんには頭があがらない。情けない主将で全く申し訳ない限りだ。
曖昧な部分を詰めたり、バランスと静止を出せるようにするための地道な練習が欠けていることのまずさを痛感した。これを糧に、できることをやっていかなければ。


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