山に登る

木漏れ日を歩く



今年は相方の誕生日が日曜日になった。


昨晩から、4人で実家に泊まって、母と一緒に朝から裏山に登ることにした。娘がしっかり歩けるようになったら、一度一緒に登りたいのだ、とこれまでもよく母が言っていたのだけれど、おもには私の都合のせいでなかなか実現しなかったものだ。犬が元気だった頃には、よく連れて登ったものだった。250mほどの高さの山であるけれど、森の中を丁寧に舗装された小道が頂上までなだらかに続く、素敵なハイキングコースである。


今日は絶好の天気になった。木陰は涼しく、緑は色鮮やかで、時折吹く風が心地良かった。見通しが持てない登り道にぐだぐだする娘だったが、途中でちょっと坐ってお茶を飲む休憩をしたり、すれ違うおじさんおばさんに褒められたりするのをはげみに歩いていた。相方が息子のバギーを押して上がった。息子はキョロキョロとしながら機嫌よくしている。頂上に着くと娘はいっぺんに元気になった。お堂で手を合わせると、デッキに上がる。展望台から、はるかに大阪湾が見渡せた。反対側からは、奈良盆地に散在する山々を一望する。帰り道は、相方のバースデーケーキが楽しみで、はしゃぎ加減にどんどん進む。健脚はたいしたものである。


お昼を食べてから、ケーキでお祝いし、家に帰った。子供たちを昼寝させたが、私たちもうっかり寝てしまう。かろうじて子供よりは早く起きだして、家事を片付けに掛かる。一念発起して伸び放題になっていた水草の手入れにも手を伸ばす。このごろはすっかり下の葉が落ちて、茎ばかりが目立つようになっていたので、えいっと全部刈りとってしまい、一本一本切り戻しては植え直した。さすがに少し手間取ったが、心配したほどには時間はかからず、植え戻すことができた。茂みが水底に落ち着くと、水の景色がぐっと明るくなった。


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