大雨の50m予選


自宅から直接能勢へと往復するのは久しぶり。
台風が鹿児島まで来ている。昨日からずっと雨。
早めに行かないと、と私なりに準備はしていたのだけれど、なんだか特別に予定のないはずの相方も急いでいて、仕方なく予定外に娘の用意なども手伝っていたら出るのが遅れてしまった。


協会の中の行事で、しかも一次で出場者を6名に絞った二次予選は、試合の規模としては小さなものなので、スタートリストが予め発表されたりはしない。今日の50mは伏射と三姿勢の二種目だが、先に伏射、それも月例会と同じで9時半スタートだろう、と思っていたのだが、着いてみると、三姿勢からの9時スタートだという。射場に入ったのは、試合開始20分前だったので、ありゃりゃ、と急いで準備する。
いきなり立射をしなくてはならないなら、影響が出そうだけれど、まあ、伏射だったらなんとかなるだろう、と楽観的に構える。


先週、10mの予選後にさらっと伏射だけ50mで撃っておいた。頬・首・右肩の連携で確かめておきたい感覚があったから、やってみたのだけれど、思いがけず支持腕の内的感覚について大きな収穫があった。「ああ、この人の伏射って、なんだか『揺るがない』雰囲気があるなあ」と感じる、視覚的に共通したイメージが長らくずっとあったのだけれど、それが内的なものとしてはどんなものになるのか、ということが、どうもしっくり掴めずにもどかしく来ていて、元来の「伏射への苦手意識」の結構重要な部分を占めてきた。ちょっとその解決に繋がりそうな「感覚」がわかったきがしたのだ。
どうして今までそういう風に把握したことがなかったのだろう、と思うくらいに凄くシンプルなものなのだけれど、そうであるだけに期待は大きい。


慌ただしい準備で、気持ちもうまく入り込むには程遠い状況で試合になだれ込んだので、かえって技術面のテストにはなるシチュエーションだった。結論から言うと、結構今度の発見は当たりかもしれない。思い通りに内的な感覚は再現ができて、そのポイントだけを優先して撃つ、というある意味でリスキーなことをしたのだけれど、いきなり意のままに集弾させることができた。
ファイナルバリューで106点に近いスコアの100点で滑りだした。
このまま行くのが本当のところなのだが、ここで、先月末に調整して変えた「少し高さの足りない感じ」を補うためのセッティングの変更がこの方法と反目する要素だったようで、左手のハンドストップとスリングのポイントがきつすぎて痛みが出てしまった。痛みで感覚が少し分からなくなって、あっさり崩してしまった。残念。でも、それを除けたらよくなりそうだ。
100 95 97 98 390。
手応えや技術の向上が得点に現れるまでには、こう、すべてのステップを踏まないといけないようなところが、私の「天才型ではない」とFさんにしょっちゅう言われ続けていた所以であり、なかなかわかりにくい「個性」である。教える側になるときにはこの上ない強みとなる天性でもあり、微笑ましく受け入れている部分である。


立射は相変わらず、いい。詰めて練習して「磨く」ことをしていないので、自然狙点を黒点に合わせる、据銃上の細かい修練が足りず、多少「OK」の水準を下げざるをえないので、スコア的にこんなものだが、おおよそ95点をキープすることは可能な水準で、きちんと把握して撃てている。最後に疲れて、最終弾で6、というのはいただけない。伏射でもそうだけれど、ここのところの生活からくる全般的なスタミナの低下は、射撃に影を落としている。
94 93 95 90 372。


膝射は、(またまたいつものこと、という感じだが)前回の一次予選から撃ってないから、その時の反省に沿って撃つばかりである。
右肩の保ち方をひとつのキーとなる技術に据えてそこからいろいろな要素を整える、という方法が「個々のパフォーマンスについて、評価を蓄積する」ことに繋がっている、というのが前回の発見だったわけで、それだけを頼りにスタートした。
バッチリだった。極めて容易に軸の整った姿勢が再現され、確実なコントロールのもとに撃発が行えた。ちょっとつまらないミスがあったものの97スタート。
伏射の時と同様、このまま行くのが本当のところなのだが、時間を惜しんで姿勢転換のとき、ちょっとトイレに行きたかったのを我慢したのがてきめんに影響してきた。ちゃんと「完成」していれば、多少の「不快」や「我慢」も物ともせずパフォーマンスを維持できるのだろうけれど、まだ「基本的には手探り」の段階である。あっさり崩してしまった。標的の真ん中を残して9点のラインの周辺へ次々と着弾して、スコアはあっという間に見るも無残なものになってしまった。
97 92 92 91 372、トータル 1134。見事に今回も1140の手前で落ち着いてしまった。


内容の充実はあって、楽しい射撃だった。スコアは平凡だが、十分に価値のあるものだったことが私自身にわかっていればいい。
今年は、例年出場している試合において三姿勢競技のプログラムが、平日に影響する形でばかり組まれていて、大きな試合で腕を試す機会は少なくなりそうだ。そういう場面があれば、若干は調整もして現時点でどの辺りまで行けるのか確かめることだってできるのだが、手応えのある年に限って、そういう機会自体がうまく巡ってこないのは、ちょっと惜しいように感じなくもない。


「二次予選」としては、他の方々の不調もあってこの種目も圧勝だった。種目選択権を得て、迷わず4連覇のかかる10mを選んだ。
50mはしばらく本当に撃つ機会がなくて、次は7月の全日本クラブ対抗ということになりそうだ。


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