府民体育大会(50mの部)


ゴールデンウィーク恒例で、国体一次予選を兼ねる大会である。


50mの部は、三姿勢だけにエントリーした。
これもここしばらくは私にとって「恒例」になっている。
伏射も撃ってみたいな、と思わないでもないのだけれど、国体予選的には、50m伏射はその代表を目指す人達がたくさんいて、いまのところそこへ参戦するのは私の「役割」ではない、と感じている。
ローカルの試合とはいえ、その辺りは、ただの「調整」には使えない「大切さ」を、いまだにこの大会は持っている、と(少なくとも私は)思っている。


11月末の全日本選抜クラブ対抗以来、ずっと触れることすらできなかったSBではあるが、直近の4/30、5/1と少し練習できたし、50mを試合で撃てるということ自体の嬉しさもあって、試合前から楽しい気分だった。
今日は曇り空で微風。先日の荒れ模様とは打って変わって穏やかなコンディションである。


さあて久々に撃つには伏射の45分は結構忙しいから、とプレパレーションもちゃんとやって、試合開始を迎えたが、いざという瞬間に、画面の「Free 60 shot」という文字が目に入って、「あ、電子標的自分で3×40にセットしないといけないんだった」と気づいた。去年のこの大会以来、大きな大会でしか撃ってこなかったので、すっかりうっかりしていた。やれやれ、と立ち上がってセットする。
結局滑り出しはバタバタして、「とりあえずスタート」という感じになってしまった…。「あ、これだ」と、身体がしっくり来たのは第2シリーズの終わりだった。
ただ、ここからは自分でも驚くような内容だった。第3シリーズはファイナル評価でほぼ106点。10mの伏射を撃っているようだった。第4シリーズも同じ具合に続いた。ただ、34発目に変な弾に出くわした。下方4時方向に7.4。滅多に弾に異変を感じることはないのだが、今回ばかりは「やられた」と思った。
その後は1発の9.9を除き、同様にいい内容で撃ち終えた。
96 95 100 96 387。
平々凡々なスコアであるが、納得の内容だった。


続く立射。
今回、最も楽しみだった姿勢である。
半年分の10m立射の答え合わせ、みたいな気分で、なんとなく身が引き締まる。
直近の練習で確認した通りに、明快に、見えている銃の動きと弾着とが結びつくパフォーマンスが再現できた。
ただ、どことなく静止に対して甘いところがあって、コール通りに「9.7」という具合のがたくさん出てしまって、点数が伸び悩んだ。
93とか92くらいのスコアというのは、いろいろな「出かた」があって、「よく90台にのったなあ」というような弾着でも出ることがあるし、「うわーよくまとまってるのに、これで92なの?」というのまで、本当に幅広い。
今日の第1第2シリーズは、まさに後者のそれで、ちょっと歯がゆく思ったけれど、まあそんなもんだ、と苛々せずに続けた。
後半もポコッポコッと「8」も出たりして、スコアメイクが苦しかったけれど、なんとか95平均を出せた。反省も課題もあるが、高い満足感で終えることができた。
93 92 96 94 375。半年ぶりの試合形式の射撃としては上出来だと思う。


さて、膝射。
あやふやな部分が最も多い姿勢である。三姿勢に重点を置いているときでなければ、本格的な練習をすることがないので、いつまでもそんなままである。
せめて試合でも情報を蓄積しつづけて、すこしずつ前に進むしかない。
右腕の使い方を、ひとつ「これでいく」と定めて臨んだのが大きかった。これまで状況に応じて「なんでもあり」だったので、結局なんだかよくわからないままになっていたが、肘の高さを保ち、そのなかで右肩の状態を積極的にコントロールすると決めたことで、色々なパーツに「それならば、こう」、「そうであれば、こう」という風に必然的に次々といろいろなものが定まっていっている。
膝射になったとたん、撃発が非常にまずくなる、という傾向もよくわかった。
滑り出しこそ苦労したが、第2シリーズからは、1発1発意味のある、いい試合ができたと思う。
91 95 93 97 376。


トータルは、1138だった。このくらいでこのスコアだから、必死で練習して1150を撃っていた時より進歩したなあ、と思う。
Aさんを2点差でかわし、優勝のおまけまでついてきた。
この種目は、私にとって手付かずの原野がまだいっぱい残っている感じがして、とてもわくわくして楽しい。
なかなか時間は割けないけれど、楽しみながらこれからも上達を目指して撃っていこうと思っている。


[fin]