強風の能勢で


今日は終日、音を立てて強風が吹き荒れた。


先週久しぶりに50mの練習をしたが、立射・膝射・伏射と、バランスのデリケートな順に練習したら、最後の伏射のころには疲れてしまって、ひどい内容のままに終わっていた。
そんなわけで今日は改めてまず、50mの伏射から練習に入る。


ここ1年の。練習や試合でのセッティング面の変更履歴をたどり、どこで試行錯誤がおもに行われてきたかを確かめる。
ノートを見直すと、「よくなった」と手応えを得たある時点から、大枠がずっと維持されていることがよくわかる。
グリップと右肩までの距離(撃発動作へのグリップ位置の影響・ストックと身体の一体感に関わる部分)と、それに伴って左手を受けるハンドストップの位置をどうするか(基本的には右肩から左手までのトータルの長さは一定に維持するように、ストック長にあわせてハンドストップの取り付け位置を伸縮させるものなのだけれど、姿勢全体の高さや一体感のために、トータルの長さ自体をグリップの感じにあわせて変える必要もある)あたりに、いろいろと苦労の跡が見えた。


そういうものを踏まえた上で、「身体が『構えたい』と思っている形」と、「実際にいいパフォーマンスを発揮できるフォーム」とが、現在のところどのくらい近くなっているのか、しっかりつめておく必要があるだろう、とジャケットを着たり脱いだりしながら、あらためてその辺りを探る。
首・右肩・右腕の「ユニット」と左の支持腕の距離が、「感覚優先」では現状よりわずかに近いほうがしっくり来るので、ひとまずそれでは何かまずいことがあるのかどうかを試した。


伏射の構え自体が、体への馴染み、という面では相当に心許なくなっていたので、頭の中にあるものを具体的に形にするのに少し時間がかかった。
そのうちにやっと「ああ、感覚が戻った」と思えるところまで来て、試しているものが、とりあえずはそう悪くなさそうだといえることはわかった(もちろん保留つきだけれど)。
強風が相当にひどく、「弾着で」成果を確かめるには、もう「待ち」をたっぷり取らざるを得ず、撃っていてちょっと嫌になったけれど、15発程度10点を続けることができた。荒れる風旗とまとまった弾着を示す画面を前に、「何だ、結構やれるじゃんか」とちょっと得意な気分になって、わずか40発ながら、早々に伏射の練習は終えることにした。


右へ左へと、風旗が終始真横90度にたなびいている状況で、もうこれ以上他の姿勢をここで撃っても、今の私には練習にならないな、と思い、10mに移った。


50mの練習を経ていて、しかもその立射に手応えがあったりしたものだから、やはり、そこで「新しくつかめたような気がしたもの」について、評価をせずにはいられない。
特にこれまで10mでやってきていることと、それらが、大きく矛盾したりすることはなかったのだけれど、細かいところでは、『整合性」みたいのをどうするか、とか、同様な意味合いを持つ他の技術との「優先順位」のようなものをうまく統合すること、とか、3時間弱の練習の中では、あれこれと忙しかった。
バチっと100点の出るパフォーマンスがしばらく続いたと思ったら、95-96まで乱れたりと、表向き淡々とメニューをすすめていながらも、試行錯誤によってパフォーマンスが刻々と変化するのを感じた。


全体としては、収穫はもちろん大きかった。
さて、これで(たかだか府内の大会とはいえ)一次予選となる大会の準備はできたかというと、まあちょっと不安も残るところである。


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