お留守番のピクニック

お弁当!



今日は昼過ぎまで、相方が保育園の講演行事で出かけた。


今回の講師は広木克行さんという、子育てについての見識や方法論において、園が拠り所のひとつとしている方だ。毎年一度は園の行事のどこかでお招きしているようである。
昨年に講演があった時も、私は「留守番役」を引き受けたのだが、参加した相方には知識面でも精神的な面でも得るものが大きかったようで、その充実が帰宅後の顔色で、すぐ知れるほどだった。
私は、ちらちらと著書の一部を読ませてもらっただけだが、なるほど「親として、進んで襟を正す」心地にさせられる感じだった。
親と子の絆を深め合う道程(みち)


さて、今回の「お留守番」では、3歳の娘と5ヶ月ちょい手前の息子と、3人で「ご近所ピクニック」することにする。
朝ごはんと一緒に、私と娘のお弁当を用意して、息子用には、お湯の入ったポットと哺乳瓶とミルクのスティックをバッグに放り込む。相方が出かけた後、3人で出かけた。
バギーを押しながら、いつもよりもエレベーターをたくさん使って、まずは駅向こうの公園を目指した。


川沿いを歩いていると、今日は町の駅伝大会が開かれていたらしく、ゼッケンをつけた色とりどりのウェアの老若男女が駆け抜けていくのが見えた。
病院の前のベンチに腰を下ろして、娘ともどもランナーにしばし目を奪われる。息子は、振動が心地よかったのか、すやすや眠ってしまった。


その後程なく、西の公園に着いた。
高層住宅に二方を囲まれた小さな公園だけれど、ビルに負けない立派なクスノキがあって、適度な起伏と藤棚を配し、よくデザインされた落ち着いた印象で、私はここが気に入っている。
眠っている息子を藤棚の木陰に置いて、娘が滑り台やちょっとしたアスレチックで遊ぶのに付き合う。昨日までのぐずぐずした天気がから一転して、気持ちのいい天気だった。
しばらく遊ぶと、まだ午前10時過ぎだったけれど、娘から早くも「お弁当食べたい」とのリクエスト。
線路を挟んで反対側の、河川敷の公園まで行ってからお昼を食べよう。と約束して移動をはじめた。
繁華な駅前に戻らず、地域の人達が利用する小路を抜ける。線路を超えるのに、人独りがやっと通れるくらいの地下道を初めてくぐった。


古くからの集落は、いろいろな家があって、まだまだ何度通っても私には目新しい。
ああだこうだと言いながら、娘は弟のバギーに掴まったり、私と手をつないだりしながら結構な距離を一緒に歩く。
ようやっと河川敷の公園に出た。芝生が目にまぶしい。


日曜日のお昼前だというのに人はまばらだった。先に来ていた親子連れに混じって遊具でちょっと遊んだら、約束通り、お弁当を広げることにした。
遊具から少し離れた芝生の一角にレジャーシートを広げると、娘はそこに座って、なれた手つきでお弁当の包みを解いた。
息子は、バギーからバケットを外して一緒にシートに降ろし、私も弁当を広げた。
集落の向こうに、自分たちの家が見える。
家からほど近いところで、こんな風に楽しめるのは、なかなか贅沢だ。さっきの親子連れは、もう帰ってしまって、ウォーキングやジョギングに勤しむ幾人かの人たちだけになって、すっかり静かになってしまった。
生活圏に近いからか、こういう風に楽しもうという人はあまりいないみたいだ。


息子は、うれしそうに手を動かしたりしていたが、ミルクはあまり飲まなかった。保育園に行くようになってから母乳の間隔がしっかり取れるようになった、と聞いていたが、確かに3時間くらいはしっかり間を取れるようになっているようだ。娘は、タンポポの綿毛を飛ばしたり、走り回ったりと、ご機嫌に遊び回った。


予定通りお昼ごろには帰ってきて、娘を昼寝させた。家に戻ると、息子はやっとミルクをしっかり飲んだ。彼なりに緊張の外出だったのかもしれない。
近所とはいえ、2つの公園をハシゴする「ツアー」は結構な距離で、子供たちにはちょっとした遠足になったようだ。


[fin]