50mの練習をする


相方が、我が家と同様に最近出産した友人の家へ、お互いの子供を見せがてら遊びにいく、というので、その裏で能勢に練習に行かせてもらった。


ゴールデンウィークにある府民体育大会兼国体一次予選には、例年通り50m競技にもエントリーした。
本命が10mだとは言っても、府内の大会で1位を譲る気はさらさらない。しかしさすがに11月の選抜クラブ対抗から一度もSBに触れずに出たのでは、大会が練習にもならないだろう。今日は、50mに絞って練習することにする。


SBを携えて出かけるのは、本当に久しぶりである。
今年度から射撃場のポイントカード制度が新しくなり、受付でカードを発行してもらわないといけない。
新しい会員証をケースに移し、写真も用意して、緊張気味にカウンターに立った。
すんなりと発行してもらってほっとする。縦長の大きな短冊のようなカードで、射撃場側に「本票」、利用者側に「控え」があるようになっている。これまでの利用者だけがカードを持っていてスタンプをぺたぺたと押す、というのと違って、協会側が利用状況を把握できるように、ということなのだろう。


50m射場は、関大の学生数名がレギュラーを決めるためらしい記録会をしているほかは人気もなく、ひっそりとしていた。
半年撃っていないわけだから、混乱を避けるために練習実績のある立射から練習に入る。
半年前と今では、据銃するときのポイントは大きく変わっている。インターバルがあると、その間に積み重ねたものが「どの程度のもの」かがわかる、という楽しみがある。
10mで改良して、現在採用している方法を確かめるように練習した。
結論から言うと、非常によくなっていた。無理なく高い静止レベルを維持できるし、撃発後の動きもいい。弾着についても非常に正確に予測ができた。エアライフルよりも重い銃を、安定して一定方向に向けて保つための試行錯誤をする中で、エアライフルでは気がつかない、重心線のチェック方法、今向いている方向が自然狙点と一致させる、ちょっとしたイメージを使った姿勢把握の仕方など、新たに気づくことも幾つかあって、収穫はとても大きかった。


次は膝射。
久々だからか、座り方にちょっとまずいところがあるのか、お尻が痛い。
「半年」というスパンを挟む間に、立射で右肩の使い方について大きな変更があった。
銃の「受け止め方」みたいな部分に大きく関わる部分である。膝射ではまさにそこが問題でもあったので、どんなもんかいな、と半年前のセッティングにこだわらず「その感じ」を出せるように、長さに関する部分だけ「合わせ」にかかる。
「正しい」と思える構造を作ればあとは、筋感覚のコントロールこそするが、どこか「成り行きまかせ」という感じのあった膝射であるが、肩の使い方が変わると、ちょっと「自分のもの」になったような感じになる。確信を得るほどのことは、今日いきなりでは無理な話だが、まあわずかには前進したかな、と思えた。


最後に伏射をさらっとしたが、こいつは全くだめだった。
3つ目の姿勢は、「確認程度」なら構わないが、がっつり練習するには無理がある。2つも姿勢をしっかり練習すると「集中力」というか、工夫に注ぐための「創造力」みたいなものが使い果たされてしまう。
まあ、今頭の中にある「方法論」だけでは、10mなら誤魔化せても50mでは通用しない、ということが確認できただけよしとする。


大会までに少なくとももう一度、50m(特に伏射)に集中的に取り組む機会が必要である。
大会でどの程度できるか、は不透明で不安もある。しかし、いい取っ掛かりをたくさん得て改めて、やっぱり50m競技や三姿勢は面白いなと噛みしめつつ帰路についた。


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