ズボンを剥ぐ

剥いだズボン



合宿二日目の今日もまた、随分と冷える一日だった。
Oくんが指導に加わってくれて、50mはすっかり任せることができたので、下の10mの観察と指導に専念できた。


ピストルの指導でNさんが選手と共に来られ、そちらの状況もいろいろ情報を交換する。
支部長も学連の学生幹部と共に来られて、4月からの打ち合わせを一緒にいくつか行った。
選手強化については、学生たちと私でちょっとした関西ならではのドリームプランを練る。
Sさんに早速電話して、そのバックアップを依頼したり、来月に迫ったユニバーシアードの選考会について確認したりする。
広く東日本で行われたり、東日本に関わりがあったりすることについては、あらゆるスケジュールについて、一歩立ち止まって考え直すことが求められる状況だ。


打ち合わせが終わると、再び射座の後ろに立ち尽くして、選手の様子を見る。
その傍ら、手が遊んでいるので、家から掘り起こしてきた古い射撃ズボンの内側のキャンバスを剥ぐ。


荷物が戻らなかったときに備えて、古い道具でどれくらいいけるか考えているのだが、サイトや靴は何とかなりそうだ。
ジャケットは、作ったけれどしっくり来なくて寝かせたままの新しいマークスマンがある。
問題はズボンで、ひとつ前のは、ウエストの厚さや、いろんなところが硬さ検査に通らない。
内側に硬いキャンバスを使用している部分は、やむなく剥ぐことにする。
始めは少し手間取ったが、ほどなくカッター一本できれいに剥げるようになった。


できあがったのを履いてみると、腰周りはしっかりサポートされて、十分に使えそうだった。脚の背面側の芯を完全に抜いたので、すっかり柔らかくなり、これなら履いたまま結構本気で走れそうだ。
射撃スタンドだけはどうにも代用品がないので、借りるか、小さな三脚でも買わなければならないかもしれない。


合宿は、夕方無事に終わった。
2回生が、高校生に比べても、ちょっと緊張感を欠いている部分については苦言を呈した。
この1年、関西の顔になるメンバーである。しっかり学生射撃全体を引っ張っていって欲しいものだ。


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