お買いもの

レインウェアの娘



昨晩は、子どもたちと一緒にみんな20時に寝てしまって、夜中0時過ぎに眼が覚めた。相方ともども、これ幸いと朝までずっと部屋の片付けに没頭してしまった。
空が白んできたので、朝ご飯の用意に取り掛かったら、娘が「おはよう」と起きてきた。


今朝は雨模様。


娘はいつものように、公園に行きたいなあ、と言うので、よしそれじゃあ買い物に行こう、と持ちかける。
昨晩の片づけで、たくさんのブックエンドが必要になり、洗濯用のネットも必要だということにだったので、久しぶりに百均ショップに出かけようと思っていたのだ。
先日、相方が娘に買ってきたレインウェアを試そうと、それを着せた。私もレインコートを着て、二人であえて傘なしで出かける。


ずいぶん朝ゆっくりしたつもりだったのだが、出かけたのは9時過ぎで、着いてみるとまだ店は開いていなかった。
仕方なく近くの川沿いの遊歩道や公園へ足を伸ばす。
普段あまり出かけない駅向こうの、新しいマンションと大きな木に囲まれた公園は、遠めに見ていた印象よりも立派なものだった。
雨に濡れた滑り台は、ものすごくよく滑って、晴れの日には経験できないおもしろさがあった。
ひっそりした公園で遊具を一通り満喫してから、店に向かった。


100円ショップでは、娘に、「好きなものを3つだけ、自分でえらんで買っていいよ」、と約束して入る。
籠を持たせると、真剣に棚を覗いては、商品を選んでかごに入れる。
4つ目になったとき、「どれと交換する?」と尋ねると、ルールはよくわかっていたようで、ちょっと考えてはかごからひとつを選んでもとの棚へ戻し、次を探しに行った。
・・・感心した。


私のお目当てであるブックエンドの売り場の横は、娘の大好きなシールの売り場だった。親子二人、あれこれ手にとって真剣に商品を選んでいるのが、わがことながら何だかおかしかった。
進むにつれ、娘の「3点」がどんどん「いいもの」になっていくのが、とても面白かった。
はじめに取っていた樹脂製のカードケースやニコニコマーク入りのゴムボール、プリクラみたいに印刷できる用紙は消え、クマの柄のいい感じの包装紙、控えめに柄の入ったかわいらしいメッセージカード用紙、厳選したシール、の3つになっていた。


必要なものは選べたし、そろそろ終わりにしようかな、というころに、娘は、うさぎの飾りがついた木製のハンガーを見つけてきた。
なかなかに、それはかわいらしい品だった。よく見つけたなあ、と感心してみていると、どれをその代わりに棚に返すかで、相当に悩んでいる。
何となく今入っている3つは、十分に考えつくされた品揃えに思えたので、そこから何か返させるのは忍びない感じがして、「よし、そのハンガーはパパが買ってあげよう」と言う。
レジのお姉さんのところに、嬉しそうにかごを持っていってくれた。
1000円そこそこの買い物だったのだけれど、随分楽しくて贅沢な感じがした。


帰りに、今日が誕生日の母にケーキを買う。
ここまでいい感じで来た娘だったが、横にあるソフトクリームのショーケースで動けなくなってしまい、「アイスクリームー」の連呼が始まってしまった。
泣きながら「アイスクリームー!」を繰り返す娘を抱え上げて帰ることになった。
ちょっと疲れて、お腹がすいて、眠気も来たら、プチモンスターに早変わり。仕方ないところだろう。
家に着いて、相方に買ってきたものを問われて説明するころには、またご機嫌に戻っていた。


この三連休、なかなかに休日らしい3日間であった。


[fin]