お食い初め

鯛と息子



前夜、学年のお疲れ様会があった。
本当に今年は「お疲れ様」と労いあわずにいられないような一年だったし、相方の父が手伝いに来てくれる日と重なっていたこともあって、行ってきたらの言葉に甘えさせてもらった。
鍵やという牛タンのお店が会場で、会としてはこじんまりとしていたのだが、こういう会としては異例と言っていいくらい食べ物がとても充実していて、しばし楽しんでしまった。


今日は、いろいろ予定の多い3月にあって、私のスケジュールが空いている週末ということもあり、息子の誕生から100日を10日ほどと頃合いもよかろうと、お食い初めをして祝うことになった。
相方は昨日より、ちょっと料理を作り溜めたりして備えてくれた。


いつものように早起きをして、それとなく片づけを進めて準備していると、早速、相方の実家から義父と義母が煮物やらを持って到着した。
ほどなく私の両親も、赤飯と焼き鯛を持ってやってきてくれた。
娘は、大喜びである。
ちょっと、いい服を着て、あらたまってテーブルを囲む。娘は普段履くことのないスカートで、ちょっとすましている。


終始、静かに澄ましている息子
祖母の通夜や葬儀でもそうだったが、様子を窺っているのではなく、こういう人の集まるイベントごとがどうも大好きなようだ。
スライダーの背を起こして、座らせると、意外にしっかり座れた。まだまだだけれど、首が据わってきている。
箸で口元に縁起物の食べ物を軽く当てる記念写真を撮り、その後会食した。
当人は祝いの理由にされるだけで、何が食べられるわけでもない。それでも、もぐもぐと口を動かして、一心に机の上や食べる様子を注視し、楽しそうなのがよかった。


和やかに会を終え、最後にセルフオートを使って記念撮影をすることにした。
すると、トイレから戻った娘がパンツにスカートの裾を全部入れるといってどうしても譲らない。ハンプティダンプティみたいな姿で頑張るのが何ともおかしくて笑ってしまうのだけれど、スイッチが入ってしまったようで絶対に譲らない。
仕方なくそのまま撮ったり、上からひざ掛けをかけたりして撮った。
これはこれで、あとで懐かしいのかもしれない。


みんなが帰って、すっかり落ち着いてから、どうしてそうしたの?と尋ねると、「おもしろいかなーと思ったから」だそうだ。
普段からおふざけ大好きだけど、今回はまた随分と気合の入ったおちょけ方だ。
かたや主役の息子は、なんだか気合の入った顔でずっと澄ましっぱなしだった。そんな姉弟になるのだろうか。


[fin]