予防接種


かかりつけの小児科でうまい具合に予約が取れて、今日の午前、息子が4本、娘2本の予防接種をまとめて受けることになった。
内訳は息子のが、2回目のHib髄膜炎と肺炎球菌、それにBCGと1回目の三種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)、娘のが日本脳炎と肺炎球菌。
そんなにたくさん一気に打っていいのか、とちょっと心配になる感じだが、そういうことができるものらしい。


親になってみるまで、詳しく知らなかったのだが、生まれてから4歳くらいまでに受けた方がいいとされる予防接種の数は驚くほど多い。
娘のときは、娘一人を中心に考えることができたため、1回に1本ずつの接種でここまで来た。2本まとめて打ったのは今回がはじめてである。
でも、前の接種との間隔や順番を計りながら、それこそ毎週のように小児科や内科に通い続けるような感じだった。


娘は、これまでと同じく、ぐっとこらえて大丈夫だったらしいが、息子の方はさすがに立て続けのたくさんの接種に、1本だけだったこの間のようにはいかず、相当にかわいそうな泣き方になったようだ。1本なら、あれ?という具合で、びっくりしている間に終わるけれど、たくさんの大人に囲まれて次々と針をつきたてられる絶望感のようなものは、ちょっと相当に酷な経験という感じはする。
しかしまた、子ども二人を医院に連れて行って、それぞれに注射を受けさせるというのは、相当に待たせるのが大変で、義父の応援があってやっとできた、という具合だったそうだ。毎週のように通って一本ずつ打つ、ということも、なかなか難しいと思う。


私が帰ると、子どもたちは眠る直前で、娘から注射のときの様子を直に聞くことができた。
息子の注射のときに、娘は心配して診察室に励ましに行ったりしたのだという。医院の中はさぞやばたばたと大変だったことだろう。
一通り話をすると、さすがに疲れていたのか、二人ともいつもよりすんなりと眠ってしまった。


一人残された私は片付けものなどをしながら何気なく、テレビでニュースを見ていた。
11時ごろのだったろうか。予防接種後に体調が急変して乳幼児が死亡するケースが相次ぎ、厚生労働省が緊急にHibと肺炎球菌の接種を一時見合わせるよう通達したというニュースが流れた。
その報道が終わる前に、あわてて子どもたちと一緒に寝ている相方を起こした。


簡潔な報道で、その事実以上に詳しいことは、何も語られなかったのでよくわからないけれど、接種したその日にそういう事態に出くわすとはなあ、と思った。
報道されたケースについては、因果関係自体をこれから確かめていく段階であろう。
接種方法自体が含む危険も否定できないけれど、使用しているワクチンの製品や特定のロットに潜在する問題かもしれない(聞いていて、少しそういうニュアンスを感じる伝え方だった)。


健やかな寝息を立てる子らの前で、顔を見合わせる。
打ってしまったものは仕方がない。2-3日は様子によく気をつけるしかないな、と相方と話す。


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