課題浮上


今日と明日が、冬季ランクリストマッチの最終回である。
また前回のランクリスト以降、一度も銃に触れずじまいである。
やれやれと振り返ってみるが、練習できそうだった日や時間が全く思い当たらないかったので、仕方がないとあきらめる。
頭の中でやっている、回想に近い思考上の練習(といえるかどうかよくわからないもの)と、練習の、というより実戦の記録になってしまっている射撃ノートだけが頼りである。


今日は、後ろの方の射群にしてもらっていたので、朝から支度して娘と相方を相方の実家へ運び、タッチアンドゴーで能勢へ向かった。
天気がよくて日差しは暖かい。雪景色の中で迎えることも少なくなかった2月のランクリストとしては、どちらかというと異例のことである。
12時10分からと思って少しあわてながら準備を進めていたら、その時間になっても一向に始まりそうにない。先に来ていた人たちに尋ねて13時10分からだとわかり、ちょっと拍子抜けした。事前に発表されたエントリー表の時間が間違っていたらしい。


前回、割合いい手応えがあり、右腕の感覚と銃のホールド、軸の形成が把握できるようになっている、と感じていたので、ある程度は大丈夫なのではないか、と思っていた。
バランスよく銃を高く保ちながら軸ががっちりと作られる感じがあり、若干のミスがあったものの、まずまず事前に思い描いた通りの滑り出しだった。


ところが、第3シリーズに入ると、自信を持って撃発したのが立て続けに左の9.7あたりに着弾した。
修正と確認をするが、おかしなところは思い当たらない。
そのまま続けるが、ど真ん中にきちんと当たって、思い過ごしだったのかな、と一瞬淡い期待を抱いたりするのだが、次にはまたすぐに、同じように左に微妙に外れる、ということが繰り返される。
そんな風にして、パフォーマンスの手応えとしては問題がないのにずるずると失点して結局95まで行ってしまった。


さすがに、ここまでくると問題探求モードに切り替えざるを得ない。
どこに問題点を探しに行くか?
一定と思っている構造が、平行にずれた形で2種類あって、気付かずにそれを行ったり来たりしている、という仮説くらいしか思いつかない。
「矛盾なくきちんと軸も形成され、バランスも出来上がっているのに、全体が左にずれて構築されてしまう」そんな姿勢のバリエーションが生じていないか。
自分のパフォーマンスに疑いをさしはさみながら撃つ、というのは、本当は試合ではやりたくないことである。点数的にもいいものにならないのは言うまでもないことで、「そういうもの」と割り切ってやらねばならない。
悪いところを探す、というよりは、そういうバリエーションの出ないように、何というか「手続きを厳正にする」とでもいうような方針で撃ち進める。
第4シリーズも結果的には96に終わったのだが、シリーズの後半は謎の左失点をほぼ除くことができた。


第5シリーズはほぼ思い通りの着弾で一貫させることができ、そのまま最後まで撃ち切った。
98 98 95 96 99 97 583。
結局今回も出入りの激しいスコアになってしまった。


問題点がもうひとつはっきりしないままに、対症療法で乗り切っただけだから、なんとも気が晴れない。
検査モードで撃っているから、時間がかかっているし、この後もこの方法でずっと行くわけにはいかない。
さあて、明日はどうしたものか。
翌日の試合をどう闘って、収穫を得るか、なかなか難しいことになったな、と思いながら会場を後にした。


[fin]