お宮参り

料亭で眠る



朝からいい天気だった。
今日は、女性陣はみな着物を着ることになっていたので、ほっとする。


相方の母が、着物の用意をして父とともに9時過ぎに駆けつけてくれた。
娘は洋服がいいかな、とも思っていたのだけれど、母が「着る?」と尋ねると、着たいという。
昨年秋は、ためしに着せてみるとすぐ窮屈がって、ちょっと長時間着せるのはまだ無理だった。数え年での七五三は見送ったのだけれど、今回どうかと見ていたら、嬉々として嫌がらなかった。
また大きくなったんだな、と思う。


11時半に神社の前で私の両親と待ち合わせたが、スムーズに準備ができて、こちらが早めに到着した。
受付を済ませて、みなで祈祷所に入った。先の一組を除いて人はなく、しんと静まったまだ新しい祭壇には、どこかくつろいだ雰囲気があった。
相方の家で用意してくださった羽織は随分と立派で、母に抱かれて一緒に羽織った姿は、なかなかのものだった。


何かを覚えていた、という手応えもなかったが、娘のときに続く2度目だから、という余裕のようなものはあった。
ひんやりした空気の中で、背筋を伸ばし無事の成長を祈る。
娘は、太鼓や鈴に興味津々、といった感じだったので、踊りだしたりしないかとちょっと心配したけれど、おじいちゃんおばあちゃんにひっついて、ちゃんと参加することができた。


娘のときと同じ料亭で、お祝いの会食をした。
座敷でゆっくり料理をいただく、というのは小さな子には、ちょっと退屈なことで、ちょろちょろ動き回る娘にはらはらしたり、息子にミルクを飲ませたり、なにかとせわしなく、「味わう」感じになれなかったのは残念だった。
でも、まあこれは、やむをえないところだろう。
こういう席を設けてもらって、元気な子どもたちを前に楽しく過ごし、今回のお宮参りもまた、印象に残るひとコマとなった。


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