射場の冬支度


年末の射場整備が行われた。
各クラブに出役要請が来て、土木作業に近い作業から機器の細かな調整作業まで、様々な仕事をわいわいとやる、恒例の冬支度だ。
出役者数には、クラブの勢いのようなものがくっきりと現れて、うちのチームの目を覆いたくなるような衰退振りがここでもはっきり見て取れた。
大阪産業大学の射撃部が全員で駆けつけてくれていて、心強いことこの上ない。


エア射場の天井にある大きな通風口を、断熱ボードとビニールシートで封じる作業を頼まれて、私は2階に上がることになった。角材と板で組んだ、1辺1mくらいの格子の上でする、ちょっとした鳶仕事で、間違って板の方を踏んでしまうと3mくらい下に落ちてしまう。
例年よく上がることになるAさんたちと3人で、ちょっとハラハラしながら今年も無事に敷き詰めた。


節電の目的で、照明の蛍光灯を1列全て外す。本数的には3分の2になるので、暗くなってしまうのではないかと心配したが、意外なことに照時計の数値はさほど変わらないのだそうだ。確かに、変化はよくわからない。


射場ができて以来、チェックしてこなかった机の脚を、みんなでひっくり返して点検した。高さを調整する、スクリューベースを固定する釘が、ほとんど全てで緩みきっていた。ドライバやペンチでカンカンと叩きこむ。
標的交換機は、どういうわけか、だんだんといろんな選手に我流で紐を手繰られて、どんどん標的側に引っ張り出される傾向がある。いつも、この射場整備では、Oさんが中心になって、変な結び方をされた紐を苦労してほどき、ギンギンに張られて渋くなった状態から、軽く標的が動くテンションへと調整することになる。
電源コードも、スライダーの前に引っかかったまま乱暴に高さを変えられるせいで、傷だらけになっている。糊がべとべとにならない、電気被覆専用のビニールテープを使って、Kさんが修復していく。
私とAさんは、帰ってきた標的が、交換機にぶつかる衝撃を和らげる、ホースを切って取り付ける。静岡の藤枝射場のアイデアをいただいた。


外では、竹の根で詰まってしまった排水溝を復旧する土木作業と、交換機の鉛を緩衝材と選別して回収する作業、斜面の土砂から溝を護る低い塀作りが行われていた。
特に、排水溝の作業はハードだったようで、泥まみれになって相当に体力も消耗した様子だった。


12時には出来ていようと出来ていまいと、作業は終了します、という宣言どおり、正午には片付けに入った。排水溝のところ以外は完了したようである。
来週からランクリストマッチが始まるので、午後は少し練習させてもらう。
2時間ほどだったが、ノプテルでやっていたことが実射とどう関連づくのか、じっくりとポイントを絞って反復練習をした。
新しく曖昧なところが見つかって少し戸惑いもしたが、濃い練習ができたと思う。


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