関西学生連盟総会


今年の会場は、関西学院大学だった。
推薦入試と重なっているらしく、受験生と思しき親子が連なり歩いていくのに混じって、どことなく上品な雰囲気の漂う坂道を登っていった。


総会の空気をいつもぴんと整えている支部長のHさんが、急病で入院されたとのことで、ずいぶんと例年と異なる印象の総会になった。
どうしても綻びの出る現役の提案に、進行しながら補いや指摘を挟んで進んでいくのが常なのだが、急に議長を任されて仕切り慣れない副支部長にそれは難しく、ずるずると議事が流れるような具合になってしまった。
発言を求められる場面で、コメントや助言を述べる、というのが私のいつもの役割なのだけれど、いつも一緒に並んで総会を見守っているピストル強化のNさんと、
「ここは言っておかないとだめですよね」
と何度も確かめあいながら、二人幾度も挙手しては発言することになった。


今回浮上した問題点は、射場使用料の上昇など、射撃を巡る経済的な環境の変化に連盟の体質が適応していなくて、財務体質が急速に悪化していることがひとつ。
もうひとつは、銃刀法改正によってエアライフル所持許可が下りにくくなって新入生の銃所持が滞り、新人の競技者数が激減してしまっている状況へどう対応するか、ということだった。


前者については、20年来変わらない、学連競技役員の弁当代や交通費の支給について見直すときが来ていること。
後者については、エアライフルに加えてビームライフル競技も新人戦では行ったが、これを他の本大会にも行うかどうかが議論になった。所持しないことを前提に活動する部員を増やしてしまう方がマイナスなのではないか、育成事業としてビームライフルの月例会のようなものを実施する方がいいのではないか、というような意見を述べることになった。


支出削減の可能性について指摘しているのに、1事業ごとに収支がバランスするように指摘されたと思い込んで、「赤字が続くことは仕方ない、工夫の余地はない」と強硬に主張し続ける学生がいて(しかもそれが自分の大学の後輩だったりもして)、げんなりしたりもしたが、学生たち全般を見渡してみると、有能な子をちゃんと自分たちで中心に据えて、よくやっている、と感心させられることの方が多かった。


何を言うにも、何をするにも、負う役割が重くなってきていることを仕方のないことと思いつつ、どこかでまだそのことに戸惑いを感じている。Hさんの欠席で、今回は特にそれを痛感させられる総会になった。
その感じはNさんもきっと同じだったに違いない。


[fin]