帰ってきたエアライフル


ロッテがリーグ3位から3つのシリーズを勝ち上がって優勝した今年のポストシーズンは、いい試合が多く、とても面白かった。
長いリーグ戦を制する力とは異なる、チームのある種の集中力や動員力のようなものが試される短期決戦は、間違いなくチームスポーツの王者を決めるにふさわしいもののひとつであり、リーグチャンピオンと別に日本チャンピオンが生まれることに私はあまり異論がない。
めったにテレビを観ないのに、偶々つけた第6戦は、試合の初めから延長15回の最後まで目が離せず、翌日の第7戦も終盤から優勝決定まで観ることになり、いろいろな駆け引きや選手による様々な緊張との格闘を久しぶりに満喫した。


オーバーホールに出していたエアライフルが手許に戻ってきて、再び気持ちが高まってきた。
今日は代休なので、保育園に娘を預けている間に、相方を実家近くの産婦人科検診に送り届け、その足で練習に行くことにする。
お迎えの時間までを逆算しながらのタイトなスケジュールであるが、どうにも練習したくて能勢まで車を走らせた。


ストライカースプリングやパッキンを交換し調整を行った銃は極めてスムーズな動きで、明らかによくなっていることがわかる感じだった。
いろいろお世話になった銃砲店のみなさんには感謝でいっぱいである。
今回オーバーホールに出すに当たって改めて思ったのだが、我がP-70ももう10年近く使っていることになる。
シリンダーが製造から10年目を迎えてしまうため、今回新しく一本購入した。国際大会では、シリンダーの使用年限についても検査の対象となるようである。結構いい値段がするが、(すっかり国際競技会から遠ざかってはいるものの)ちゃんとしたものを1つはちゃんと持っていたいという、この辺はささやかな私なりの矜持である。


さて、今更この時期になって、というところはあるけれど、ようやくこの1年で出てきた技術群の整理が進んでいる。
材料をどんどん出してくる周期と、組み立てて整理する周期は、なかなかうまくコントロールできないもので、今年については「重要な一年」と位置づけて臨み、それなりに充実した手応えがありながら、それを全く生かせないで終わる、歯がゆいシーズンとなってしまった。


体幹の組み立て、軸の作り方、自然狙点と姿勢の構造の対応、というところが、「現段階のベスト」といえる一揃いになってきた感じがする。
逆に頬付け・照準のところには、詰められていないところがたくさん残っており、「理念的にこういうのが正しい」、というのと、「感覚的にこうするのがフィットする」というものとの間にある「ずれ」や「矛盾」が「悪さ」をしている実態が確認できた。
練習は、本当に愉しい。


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