練習


練習に行って、その帰りに相方の実家へ行く、というのでいいと言ってもらったので、朝から装備を積み込んで能勢に出かけた。
ひとまず大きな大会は年内に選抜クラブ対抗だけで、それも目を三角にしてがんばらなければならない、という大会ではない。


久々の50m。10mで新しく組み立てた「構造」に照らし合わせて姿勢を作り、それに合うように銃のセッティングを調整する。10mでの試行錯誤を答え合わせするような感じである。
感覚を追って、純粋にただ練習に取り組むのはとても楽しかった。


収穫はいろいろとあった。


まず立射は、10mで現れたのと同じように、安定感が増すのを感じた。銃口の方向に関して、頭の中で描く図と、身体を制御するときに諒とする感覚に矛盾があるという気付きは、50mにも当てはまった。体幹の側で軸を安定させることを優先する方法も有効で、立射全般に使えることがわかって嬉しかった。右腕の重さを安定に寄与させる方法には、今日の練習の中で新しい気付きがあった。


伏射のズボンについても、特段即効性を求めないこの時期だからこそ、で改めて試してみた。ねじれや引きつりなどを感じてるとともにそれをどうにもできない「不自由さ」を嫌っていたのだけれど、気持ちにも時間にも余裕のある今回は、今までと同様に感じたそのねじれや引きつりを、ひとつひとつ除いていってみた。すると、(ひとつひとつの作業は些細なものなのだけれど)きちんと除くことができて、基本的に構造は変わらないけれど、すっきりとした構えになった。今日のこの様子だと、寝たとき最初に感じる違和感は、ズボンを履いていないときに感じ取れないが故にあいまいにしている、姿勢上のばらつきなのではないかと思う。
固定感よりも、そういう面に効果があるのかもしれない。結論が出るまで試すことにする。


膝射も少し練習できた。
改めて体幹の構造について考えながら姿勢を検討すると、「静止する」という「状態」だけあれこれ追い求めて、結果オーライで済ませることばかりだったために、どれがどう良いのか分析せずに並存しているバリエーションがものすごくたくさんあって、「こうも撃っていたし、ああも撃っていた」というような状況であることが、改めてよくわかった。
それらを俯瞰できるくらいには、ひとつひとつのバリエーション固有の感覚を感じ分けることができるようになっているので、これから徐々に、これらの因果関係を整理しながら、それぞれを位置づけていかないといけないなと思う。


まるで新しい遊びを見つけたように、夢中に取り組んで今日の練習は終わった。


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