公園をハシゴしてパンを買う

すべり台の娘



今朝は、少し娘も相方も機嫌が悪くて、ふたりつんけんとやり合っているので、「公園行って、帰りにはパンも買いに行くか」、と連れ出した。


歩いていける範囲にいくつか候補があるのだが、
「汽車のところか、滑り台のあるところか、どっちする?」
と尋ねると、
「汽車」
と言って、ちゃんとその方に歩き出した。


今日は、先客が何人かいたけれど、臆することなく当たり前のように機関車の運転台へ登っていく。おじいちゃんと思われるおじさんに連れられて先に上がってきていた男の子は、動かない古い機関車よりも次々と通りかかる電車が気になるようで、興味がかち合うことなく、娘は堂々と椅子に登っては、片っ端からレバーやバルブを動かして楽しんだ。


広場にも足を伸ばしたが、ゴミが散乱していて、一角がちょっと娘には見せたくない感じになっていた。
困ったな、と思っていると近くの住人だろうか、初老の男性が袋を持ってさっと片付けにかかって下さった。これからは、こんなときにちょっと片付けられるように、ゴミ袋のひとつも持っていたほうがいいかな、と思った。


さて、じゃあパン買いに行って帰るか、と思って娘に持ちかけると、「次はすべり台」、と言う。え・・・今から陸橋を越えてもうひとつの公園に行くのか?
「ホントに行くの?」と確認すると、「行く」というので、気の済むまで行ってみることにした。
数百メートルとはいえ、相当に階段も坂も越えていかないといけないし、そこそこの距離だと思うのだが、何の問題もなく着いてしまった。逞しくなったものである。すべり台に取り付いて遊びだした。上ったり滑ったりするだけでなく、靴を脱いで逆から登ったり、と何だか遊ぶ様子も前に来たときと感じが違う。
と、すべり台の上で、「パパおしっこ」というが早いか、だーっと漏らしてしまった。
うーん・・・。タオル類とお着替えセットの出番と相成った。


来たときと別のルートで帰り、食料品スーパーの開店を待ってパンを買いに行く。
ここは品揃えにこだわりのあるお店で、ジャンクなものや添加物のたくさん入ったものを一切置いてないので、小さな子に好きなものを選ばせられていい。
「これにしよっかなー、こっちかなー」
と、ずいぶん迷って、レーズンの入ったやわらかなパイをレジに持って行った。
あまりパンは食べさせないが、それでも見慣れたロールパンやクロワッサンでなく、ちょっと高めのをセレクトするあたり、なかなかよくわかっていらっしゃる。


休みらしい午前中を、今日も満喫することができた。


[fin]