銃器検査と公式練習


昨晩チームに合流して、公式練習初日の様子をいろいろと聞く。
こちらも大荒れの天候で大変だったようだ。落雷で電子標的や照明の水銀灯がダウンしてしまい、復旧を待つ、なんてこともあったらしい。
50m競技組からは、銃器検査が相当に厳しかったという話を聞かされて、予想はしていたことだけれど、気分が重くなった。


今日は雨も上がり、青空が広がった。
今回の10m競技会場は公立高校の体育館に設けられた屋内仮設射撃場である。県営射場を会場とする50m競技、小学校の体育館を会場とするBR競技と、3つに分けて競技会が行われるため、いろいろと不便なことが多い。人も3つに分断されてしまって各会場ともどことなく寂しい。
10m競技会場は、昨年のリハーサル大会から会場レイアウトが大きく改善されて、検査場や用具保管庫が1階に設けられていた。


荷物を運び込むと、早速ドキドキしながら銃器検査を受ける。
湿度の高いコンディションだったが、しっかり表面を削ったのが効いたようで、問題なく硬さ検査を通過し、まずはほっと胸をなでおろした。


外のテントで、立射の練習が割り当てられている4射群目を待っていたが、寒いせいか誰も来ない。人気のないのをいいことに、これまで目を通せなかったISSF NEWSを広げたが、半分ほど読んで私自身も寒さに耐えかねて会場に上がった。
体育館を使っているおかげで、射座の後ろが広くて椅子もたくさんあるので、十分ここだけで過ごせるのだな、と入ってみて外の人気のなさに納得する。
伏射用射座については、空き射座じゃんけんがあるときに参加してみたのだが、結局取れなかった。


4射群になり、立射の練習に入った。
不調の中で取り組んできた練習の中で得た収穫である、体幹を纏める方法がうまく使えて、銃は高い水準で静止させることができた。
練習の初弾から20発近く10点を続けた。調子は戻っている。
途中標的のフィードトラブルがあって、乱れたが、その後再び良い状態を作って練習を終えられた。


宿に戻ってから、夕食まで時間があったので、周辺を散策する。
駅から線路に直交するように港の方に向かって、新宿公園という長い公園がある。
その突き当たり、幹線道路を大きくまたぐ橋の先に、今国体の体操会場となっているアリーナがあった。
ホテルやオフィスビル、商業施設をあわせた施設なのだが、公的な資金で建てられたものなのだろう。ピカピカの廃墟といった感じで、アリーナ以外はあまりうまく行っていない感じだった。
商業ビルの3階に入っている巨大なホビーショップには、規模と品揃えにびっくりさせられた。


公式練習で、復調を実感できて、ようやく少し落ち着いた。
よし、勝負するぞ、という気持ちがようやく湧いてくるのを感じて、宿に戻った。


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