まゆ毛と髪

メジロンとキッピー



娘は相方に似て、まゆが薄い。
私は、割合濃くて、定期的に散髪のたびに顔を剃るから今の程度で落ち着いているが、放っておくと左右がつながってしまうようなまゆである。


娘は、誰に言われたのか、眉の薄いことを指摘されたらしく、ちょっと気にしている。
「○○な、まゆ毛ないねん。」
「パパはあるなあ。」
とか出し抜けに言われたりして、「いやいや、○○もちゃんとあるで」とあわてて応えたりする。


国体に行くと、このごろはマスコットがかわいらしいことが多くて、ぬいぐるみを買ってくる。
そんなものが転がっている家は、そんなに多くはないと思うのだけど、娘にとっては「唯一」ともいえるくらいのぬいぐるみなので、ごっこ遊びをするときは「お客さん役」を彼らが一手に引き受けている。


メジロンはまゆ毛ないけど、キッピーはまゆ毛があるねん」
と言われて、「え、そうなんか」と改めて見直してみた。
ああ、確かにそうだなあ。
今度「チーバくん」を買ってきたら、「チーバくんは、まゆ毛ないなあ」と言われそうである。


かと思うと今度は、髪をくくりたがったりもする。


娘は、どこをくくったらいいんだ、というような、前髪の短い、くくるには最もふさわしくないような髪形をしている。
仕方なく相方が無理やりくくってやると嬉しそうにしているが、頭に何かついているのが気になって触ってしまい、ゴムはすぐに取れてしまう
昔風の夫婦漫才の片割れのような髪型で悦に入っているのが、微笑ましい。
休みに相方の実家で一緒に遊んでくれる髪の長いいとこに感化されてのことだ。
このごろは、ただ遊んでもらうだけでなく、同じことをしてみたいし、負けずにちょっと張り合っても見たいという気持ちがあるみたいだ。


興味関心の方向は、やっぱり女の子らしい方を向いているのかなあ、と思ったりする。


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