ジャケットをやわらかくする

ジャケットの表面をきれいに削る



今日明日が、国体前最後の調整の機会である。


試合前に「調整」なんてできた試しは今年ここまでずっとなかったわけで、国内ローカルレベルで競技している分には、やはり国体は別格であるなあと改めて思う。


結局、旧い方のジャケットを使うことになったため(これまで6年近く何とか問題なく使ってきたジャケットではあるが)、厳しさを増す硬さ検査で失敗しないよう、昨晩はやわらかくする加工にせっせと取り組んだ。
カッターで切れ目を入れたり、肉たたきで傷がつくように叩いたり、せっせと細かく折り癖をつけたり、という作業が一般的だが、どれも手間がかかる上、前二者はずいぶんジャケットが傷んだ状態になってしまうのが気になっていた。


かなり厚みのあるキャンバス地であるから、表面を研磨してしまえば、見た目はそう損なわずにやわらかくすることができるのではないか、と随分前から思っていて、もし今以上にやわらかくする必要があるときにはそうすることに決めていた。
今回その機会が巡ってきたので、ホームセンターでハンドドリルに取り付けられるヤスリをいくつか買ってきた。


探せばいろいろあるもので、当初念頭にあった金属ブラシのようなもののほかに、紙やすりを細かく折りたたんで歯車状にしたものが見つかった。ブラシは繊維に絡んでややこしいことになるかもしれないと心配していたので、これはいい発見だった。
やってみると、マイルドにうまく表面をこそげ落としてくれる。表面の硬い織り目の起伏が削り落とされるだけで、布が覿面に柔らかくなった。
気がかりだった背面の1枚物の厚いキャンバス部分と、背の両サイドにある縦のつなぎ布の部分に丹念にヤスリを当てた。
今日、射場で検査してみたら、まったく問題ない数値になっていたので、これで一安心である。


さて、今日は月例会であった。
ノプテルでいろいろと「復旧」を試みたことを、試合形式で確かめた。
シリーズごとに、細かい問題が明らかになったり、それらが解決してうまくいったり、と一進一退が繰り返されて、スコア的には随分起伏の激しいものになった。
ただ、100が出て、最後も99で締めることができ、ひとまず手応えはしっかり感じることができた。


昼過ぎから壮行会とミーティングがあったが、その後は伏射の練習をした。


時間をかければ相当に高い点数を続けることができるが、実は時間管理の比重が割合大きい種目で、小数点計算だからと際限なく精度を追求していくことは出来ない。
短時間で高精度を出すスキルを開発したり、スピードと精度の最適な兼ね合いを本格的に測るほどには、練習も研究もできていない。
日本記録を保持している、とは言え、こんな風に大会前だけまとめて練習する程度では、本当はもちろんだめなのである。


しかし、今できることをしっかりするだけである。
明日も、午前中は練習に行くことにする。


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