病に臥せる

Y103books2010-09-05



昨晩、暗くなってすぐくらいに家にたどり着いた。
今回の遠征では、往復ともNさんにすっかりお世話になった。


昨日の10mは、再び散々な結果に終わった。
リハーサル大会として準備された広島射場は、2Fに空調が仮設で導入されて、環境はずいぶんと快適だった。
睡眠十分で早朝から身体も動かし、万全だったはずだが、腰周辺が痺れたように重く全身の節々がだるいのは気になっていた。
それでも射座に入って装備を身に着けると、それなりに背筋も伸びて、しゃんと競技に入った。


しかし、やはりどうにもダメだった。
銃がずっしりとは落ち着かない。静止はするが、小さなきっかけを探してすぐに動き出す弱弱しい静止で、撃発の動作で生じる微動が銃口の遷移に直結して、弾着に狂いが生じ続けた。
結局、どんどん細かく頭で考えて、軸やバランスを修正する技術をつぎ込み続けるしかなく、それでも制御できる範囲は限られて、まさに「当たったり外れたり」という具合のパフォーマンスにしかならなかった。
腰から下は痺れたような感じだし、平衡感覚もいつもと少し違うような感じで、心なしかふわふわと定まらない感じがする。
終わってみれば、ブロックのときと同じ、きっかり570点だった。
全く話にならない。


なんだかおかしい身体の調子、しっくり来ない新しいジャケット、結果が出ないことで疑われる技術。
分析できるような状況でなく、とにかくいろいろおかしい、ということだけは明らかになって、これは国体に向けて、えらいことになったな、と久しぶりに焦りを感じて、大会を終えた。


帰りは、微調整の効くドライバーシートでないとしっかり座れないような状態で、運転は苦にならなかったから、ほとんど運転を請け負った。
たまの休憩で入るサービスエリアでは、どうにも腰が痛くて、満足に歩き回れず、最寄のベンチにすぐ腰を下ろし、ぼんやり休憩した。


家の前まで着けてもらって、助かった。
なんとか一気に荷物を運び上げ、熱を測ってみると、39度近かった。
「ああ、これか」と、一気に力が抜けた。


誰もいない家で、ひとり静かに病に臥せる。
だるさの合間に、荷物を解き、洗濯を片付けた。
熱は夜のうちに下がらず、38.5度から37度台半ばを行ったり来たり。
熱が低めになると楽になり、熱が上がってくると息が上がってきてとたんに苦しくなる。
他に特に症状はないのだけれど、今回体調に違和感を感じてからずっと鳩尾の辺りに一貫して凝ったような違和感があって、お腹の芯を乗っ取られたような感じがしている。


疲れすぎ、の警告なのだろう。
今はただ身体からの忠告に従うばかりである。


[fin]