夏休みの終わり

夏休みが終わる。

夏のあいだにやっておきたいと思っていた家の仕事は、結構よく頑張ってできたと思う。
今日は、娘と過ごす休日を楽しみながら、合間を見てその残りをちょこちょことやる。

誤って長くカバーをかけてしまって樹脂の構造体が熱で変形してしまい、少し傷みが目立っていた、水槽の照明を機器ごと交換する。
これまで3灯式を使っていたのだけれど、特別に光量のいる水草を育てているのでなければ、光が多すぎると様々な藻が生えたり、温度がコントロールしにくくなったりする原因になる、とわかってきた。
もう3灯とも点けることがなくなって久しいので、今回買ったのはオーソドックスな2灯式だ。

今回も楽天市場を利用したが、こういうものは驚くほど安い。
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どうもレビューを見ていると、この製品、コストパフォーマンスもデザインも文句ないのだけれど、唯一反射効率がよくなくて蛍光灯の光を十分に生かせていない点にだけ、ケチをつける余地があるらしい。
あちこち見ていると、反射を補うためのフィルムというのが売られていたので、効率が上がったら1灯でいけないかな、という下心もあって、これも一緒に買っておいた。

銀色の反射フィルムと透明なフィルムでできた袋状の長い筒で、必要な長さに切って蛍光灯を通し、照明機器に取り付けるだけという、単純明快な代物である。

セットしてみると、この反射フィルム、大変な効果がある。本当に1灯で十分になってしまった。
これまでのものよりも照明機器自体がすっきりとスリムで、水面から機器を1段高くセットしてもおかしくない。
1灯で、しかも光源は遠ざかったというのに、より明るい印象なので、これでいくことにする。
省エネな上に、夏場の水温上昇もましになって、言うことなしである。

ランプ交換のついでに、手早く水替えと掃除も済ませて、昼まで3人で近所の市民プールに出掛けた。
線路沿いにある、町営のプールだ。
引っ越して久しいが、私は初めて訪れた。
町民は受付で住所氏名を記入するだけで、無料。
びっくりした。
プールサイドに行ってみると、とてもきれいで、ふたたびびっくり。
小学生がたくさん来ていて、とても賑やかだった。

娘は、前回相方と二人できているのだけれど、相方は今さすがに水に入れない。
大人と一緒でないと大きなプールはだめ、と言われて小さなプールでがまんしたという経緯がある。
今日は、私が一緒なので、はじめて25mプールに入ることができて、とてもうれしいようだった。

小学生が自在に楽しむ様に刺激を受けたのか、「浮き輪なしでいく」なんて無謀な申し出までして、「じゃあ」と浮き輪なしで一緒に入ったりもした。
さすがに、これは無理だと思ったようで、「やっぱり浮き輪する」と、このときはすぐプールサイドに戻った。

帰り道にも、何気なく展示されている蒸気機関車の運転席に登ったり、古びているけれどかわいらしい、スプリングのついた遊具に乗ったりと、小さな公園を満喫した。
数時間とはいえ、炎天下の屋外は思いのほかに疲れたようで、昼食後は三人とも長い昼寝をしてしまった。

夏の最後の仕事は、障子張りだった。
娘がもっと小さなころに、下半分をびりびりとやって、補修はしてあるものの、長らくかなり見苦しいような状態になっていた。
もう、娘がそういうことはしなくなった、というのと、破れにくい障子紙があるというので、それを試してみよう、というのと二つの理由から、今回張替えを思い立った。

夕方、ベランダに障子を出して、バケツに張った水とスポンジを使って、娘と一緒に古い紙をはがす。
桟に沿って裏から濡らしてやると、あっけなく紙は剥がれていく。
桟の各所に残った紙とふるい糊の滓は、割り箸でこそげ落とす。あまり神経質にならず、ざっと全体を仕上げておしまい。

紙を貼る作業は、娘が寝付いてからの、夜の作業になった。
「破れにくい」紙は、切る箇所の目印とするための折り目がつきにくいだけでなく、カッターで切るのもなかなか大変だった。
「破れにくさ」を作業の困難で確認する。

障子の桟につける糊にも、専用のがあって、紙を買う時に相方が一緒に買っておいてくれたのだが、なかなか便利だ。
先端が平らになっていて、その中央の小さな穴から糊が出る。平らになったすぐ横には桟の角に当てるガイドがついていて、それで沿わせながら軽く容器を押さえて滑らせると、桟の中央部分にだけ細く糊がつく仕組みだ。

この専用の糊のおかげで、少し苦労したのは切る作業だけで、あとはあっけなく貼りあがった。
障子から久しぶりに破れや継ぎがなくなってみると、見慣れていたようでも、やはりそれらが気になっていたのだとわかる。

[fin]