突堤を歩く

突堤から見た海



今日も朝には浜に出る。
月曜日の今日は、1時間ほど早く来たせいもあったが、昨日とは打って変わって、人気が少なく静かだった。


顔に水のかかるのは全く平気だったけれど、プールやお風呂では顔をつけるのが得意な娘も、鈍色に映る海面は少し身構えるところがあるようだった。
相方とスーパーで一緒に買ったというゴーグルは、目の周りが圧迫されるのが怖いのか、それとも少し色がついていて見え方が変わるのが怖いのか、どうもつけられないようだった。


沖の浮島まで、義父と共に3人で泳いでいって、一緒に沖を眺める。
昨日は騒々しかった水上バイクの姿もなく、定期フェリーがゆっくり通り過ぎるのを見て、お船だねえ、とかなんとか話したり、また浜のほうに向きかえって、ママはどこかなあ、と探したりと、のんびりした。


夕方、散歩に出た。
相方が小さいときに祖母と何度か行った、という、浜のすぐ横にある漁港を護るように伸びた、突堤の先の灯台をめざして、娘と三人で歩く。


思ったよりも、突堤の幅は途中まで狭く、すぐそこに見えた灯台は、随分と遠かった。
連日35度を超える暑さが続いているけれど、どこか空は秋めいた雲が出ていて、傾きかけた日に照らされる海はとてもきれいだった。


手を引いたり休んだりしたけれど、娘も突堤の一番先までしっかり歩ききった。
真っ赤な灯台の扉を、とんとんたたいたりして、遊んでいる。
上から眺めるだけでも、海の中にはたくさんの魚の群れが見えて、その豊かさを実感する。


帰りは、漁船が犇く、港の方の道を通った。
絵で見たとおりの小さな船が並ぶ様を見ながら、相方と娘は絵本の内容を一緒に振り返っていた。
さすがに疲れて、最後は抱っこして帰った。


海辺の夏休みそのものの休日を過ごしている。


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