夢の終わり


決勝トーナメントの1回戦。
日本対パラグアイは、1回戦としてはほぼ最後の試合となった。
試合開始が11時からと、カメルーン戦のときと同じ、もっとも家事にも仕事にも影響しにくいいい時間だった。


しかし、前回と異なって仕事でくたくたになっており、家事を片付けてテレビの前に陣取ったときにはすでに相当に眠たかった。
試合の記憶は飛び飛びになってしまい、画面の中で駆け回る選手たちに申し訳ない感じだった。
しっかり観ていた時間帯は、何だか危ないシーンがいくつもあったために、全体としては相手に相当走られながら、こちらも奮闘した、といった印象が残っている。

次の、スペインとポルトガルの勝者との試合、というのができたら、たとえぼろ負けでも、どんなに素晴らしい経験となるだろうかと、思っていたので、延長の途中からは座りなおして、何とかどこかで1点入るんじゃないかという期待をしていた。
しかし、延長も含め120分余りの試合の果て、たがいに無得点で終わった。
PKまでもつれたら、なんとなくダメなような感じがしていたので、延長の終了を見届けた時点で、かなりがっくりきた。


それでも、まあクジのようなものでも、当たることはあるからと、祈るような気持ちで見つめていたが、やはり負けてしまった。
無念である。
夢の終わりの虚脱感はある。
でも、だれも彼らを責めはしないだろう。
心をこめて戦い抜いた人々が、きっと感謝の声援で迎えられるであろう、と思ったら、微笑みながら眠れるような気がした。


カメルーン戦のときとは違い、試合が終わるともう午前2時も間近になっていた。
少し翌日の疲れを心配しながら眠りについた。


[fin]